研究課題/領域番号 |
61480092
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 教授 (90030866)
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研究分担者 |
小林 俊博 高知医科大学, 医学部, 助手 (40153621)
石川 知一 高知医科大学, 医学部, 助手 (00127937)
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 移行上皮 / 細胞骨格 / フィラメント / 免疫組織化学 / 急速凍結ディープエッチング法 / アクチンフィラメント / ケラチンフィラメント / 酵素細胞化学 / ライソゾーム |
研究概要 |
膀胱移行上皮は、特異な形態の腔側形質膜、それと同じ形態の限界膜を有する紡錘形空胞および多量のフィラメントを持つことを特徴とする。本研究はこの様なフィラメントの性状、種類、分布状態および腔側形質膜との関係を明らかにするため、急速凍結ディープエッチング法、免疫組織細胞化学的方法を用いた。結果は次の通りである。 1.移行上皮細胞中のフィラメントは、ケラチンフィラメント、アクチンフィラメントが存在した。 2.ビメンチ、デスミンの抗体に反応するフィラメントは存在しない。 3.アクチンフィラメントは、表層細胞では腔側形質膜直下で網工を作り、腔側形質膜に附着していた。また一部は紡錘形空胞、ミトコンドリア等にも附着していた。中間細胞、基低細胞中では、ほぼ細胞質中に均等に分布するが、形質膜附近にやや多く分布する。 4.ケラチンフィラメントは、アクチンフィラメントに比べ太く、移行上皮細胞質中に束状にいろいろな方向に伸び、分布していた。移行上皮細胞質中に最も多く存在するフィラメントはこの種のものである。 5.アクチンフィラメントは、尿の充満度に応じ膀胱移行上皮の形態が変化する際、腔側形質膜の折りたたみ、腔側形質膜の移動等に関与し、ケラチンフィラメントは移行上皮細胞の形態保持に関与するものと思われる。 6.酵素細胞化学的研究では、腔側形質膜には5′ヌクレオチダーゼが存在し、アクチンフィラメントの重合に関与するものと示唆される。 7.移行上皮細胞中にはACPaseとTMPaseの両酵素で標識されるライソゾームが存在し、TMPase標識ライソゾームは少数で、大部分のライソゾームはACPaseで標識された。共に傷害された腔側形質膜の処理に関与するものと思われるが、今後さらにこれらの点に関し検討する必要がある。
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