研究課題/領域番号 |
61480093
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
安田 健次郎 慶応大, 医学部, 教授 (90050327)
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研究分担者 |
塩沢 昌英 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50170840)
相磯 貞和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60138013)
山下 修二 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90050666)
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キーワード | モノクローナル抗体 / ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ / 免疫組織化学 / ラット |
研究概要 |
1.抗原としての酵素の精製 ラット腎より刷子縁部分のフラクションを、パパインを用いて採取し、硫安90%飽和分画を作成し、その分画を透析の後セフアデックスG-150を用いてクロマトグラフィーを行い精度の高い酵素を得た。比活性の上昇は約320倍であった。電気泳動(PAGE)上、数本のバンドがあり、いづれも酵素活性を有しイソエンザイムであると判定された。(今年はガンマグルタミル転位酵素) 2.モノクローナル抗体の作成 上記の高度精製された酵素でBalb/cマウスを免疫し約1ケ月後に脾臓を採取し、リンパ球とマウス由来SP-2骨髄腫株と細胞融合を行った。最終的に特異抗体を作成する二種類のハイブリドーマを得た。産生された抗体はIg【G_1】クラスに属しライトチェーンはカッパーであった。特異性はELISA、酵素活性阻害実験,PAGEとSDS-PAGEによる泳動の後ウエスターンブロットを行い、本モノクウローナル抗体が、酵素の重鎖の51キロダルトンのポリペプタイドを認識する事が判明した。 3.モノクローナル抗体によるラット諸臓器の免疫組織化学的研究 ラットの腎臓、肝臓、膵臓、精巣、精巣上体について染色を行い、抗原決定基の分布を光学顕微鏡的に、又、電子顕微鏡的に觀察した。方法としてはABC法を用い、又、電子顕微鏡レベルでは一部protein-A-Colloidal Gold法を用いた。腎臓に於ては酵素は近位尿細管の曲部の刷子縁に中等度と認められ、直部に於ては刷子縁の反応は更に強く、又、細胞側部及び底部の細胞膜にも反応陽性であった。肝臓では胆管系に陽性、膵臓では介在部から小茎間膵管に反応が見られた。精巣には反応はなく、精巣上体のStereociliaに強陽性であった。これらの臓器と共通した所見としては、管腔を形成する上皮の細胞膜に本酵素が存在し、生化学的データーと一致した。
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