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1988 年度 実績報告書

動脈硬化症における脂質代謝の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480126
研究機関信州大学

研究代表者

武富 保  信州大学, 医学部附属心脈管病研究施設, 教授 (30020704)

研究分担者 原 厚  信州大学, 医学部附属心脈管病研究施設, 講師 (70126697)
上村 敬一  信州大学, 医学部附属心脈管病研究施設, 助教授 (80012756)
キーワード遺伝性高脂血症 / WHHL-rabbit / 動脈硬化症 / 泡沫細胞 / コレステロール結晶沈着 / 動脈壁脂質 / コレステロール・エステル / スフィンゴミエリン / LysoPC / エタノールアミン・プラスマロゲン
研究概要

遺伝性高脂血症モデル動物として、ほぼ2カ年以上生存したWHHL-rabbitsの胸部大動脈及びその他動脈の血管壁硬化病変の進展の病理組織学検索と血管壁脂質の異常を中心に研究した。これら殆どすべてのウサギの胸部大動脈壁には内膜及び中膜の肥厚と粥状硬化病変が光顕と電顕によって明らかに認められた。しかしながら、外膜はいずれも比較的よく保持されていた。電顕写真によっては内皮細胞、内膜、内弾性板、中膜、外膜の各部位の病変の違いを詳細に知ることができ、慢性高脂血症における胸部大動脈の硬化病変の成因及び進展の解明に役立つものと思われた。とくに、マクロファージや平滑筋細胞の泡沫細胞化や、泡沫化後の細胞壊死、細胞外でのコレステロールの結晶沈着の状態の血管壁各部位での様々な様相は上記のことを示唆した。
スルファチド投与群のウサギの頚動脈壁は非投与群に比して比較的正常に保たれていたが、スルファチド投与による違いとは結論ずけられなかった。粥状硬化病変の認められた胸部大動脈壁とほぼ同齢の正常家兎のそれらとの脂質組成では、前者はコレステリル・エステルとコレステロールの著増を示し、後者はトリグリセリドを主体とし、コレステロール・エステルが殆ど認められないのが特徴的であった。また、前者はコレステロール・エステル:リン脂質:コレステロールのモル比が33:14:53で動脈硬化プラークの脂質組成を、後者はリン脂質:コレステロールのモル比が65:35で細胞膜のそれらの比との類似性を示した。前者のリン脂質にはLysoPCが存在し、また、それらの脂肪酸組成からも血清リポタン白質の脂質に大きく影響されていることがわかった。後者のリン脂質は血管壁特異性を示し、エタノールアミン・プラスマロゲンやスフィンゴミエリンが主体で、血管壁の生理活性や安定性に関与しているのではないかと注目された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 上村敬一: 生化学. 60. 703 (1988)

  • [文献書誌] 杉山英子: 生化学. 60. 706 (1988)

  • [文献書誌] A.Hara: Biochim.Biophys.Acta. 960. 427-434 (1988)

  • [文献書誌] A.Hara: J.Biochem.104. 1011-1015 (1988)

  • [文献書誌] T.Taketomi: Jpn.J.Exp.Med.59. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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