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1987 年度 実績報告書

ヒトクロマチンDNAの試験管内複製系の確立とその制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 61480128
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉田 松年  名古屋大学, 医学部, 助教授 (70090420)

研究分担者 小泉 恵子  名古屋大学, 医学部, 講師 (00118027)
小島 清秀  名古屋大学, 医学部, 教授 (80073104)
梅川 逸人  名古屋大学, 医学部, 助手 (90185059)
キーワード試験管内DNA複製系 / トポイソメラーゼI / フォスファチジルイノシトール / カルジオリピン
研究概要

ヒトDNA複製の試験管内モデルとして, 有賀ら(東大医科研)により確立されたヒトDNA複製開始点を含むプラスミドpmyc(HーK)を鋳型とし, Rajc細胞(ヒトリンパ腫由来)の核抽出物を酵素源として複製系を確立した. 複製は組みこまれたヒトDNA断片に依存し, また反応産物の制限酵素DpmIを用いた解析から複製は半保存的であり, 超うセン構造を有する. formI DNAを活発に合成している事が示された. 核抽出物はDNAポリメラーゼα,β,γを全て含むが, 複製はアフィディコリンによりほぼ完全に阻害される事から合成反応は主にDNAポリメラーゼαが担っていると思われる. βおよびγの阻害剤であるdgTTPは複製にほとんど影響しない.
この系を用いて, DNA複製制御の一端を知る目的で細胞内情報伝達系の重要な物貭であるPhosphatidy Linositol(PI)の影響を他のリン脂貭との比較において検討した. PIはCardiolipin(CL)と共に複製反応を強く阻害したが(IC_<50>=約5μM), 他のリン脂貭では大きな影響はみられなかった. PIの代謝産物を種々検討した結果, この阻害は代謝産物によるものではなくPIそのものの直接的な影響によることが判明した. PIやCLによる阻害機構を知るため,核抽出物中の種々の酵素活性に対する影響を調べたところ, これらのリン脂貭はともにトポイソメラーゼエを強く阻害した. この事からPIおよびCLはトポイソメラーゼを阻害する事により複製を抑制すると考えられる. この結果の生理的意味は未だ不明であるが, 核には核膜以外にも多量のリン脂貭が存在し, それらは活発な代謝回転を行っている事が知られているので, リン脂貭が複製の調節に関与している可能性を示唆して興味深いと思われる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tanaka,M.;Kimura,M.;Yoshida,S.: Cancer Research. 47. 5971-5974 (1987)

  • [文献書誌] Tanaka,M.Yoshida,S.: Japanese Journal of Cancer research. 78. 851-857 (1987)

  • [文献書誌] Abbots,J.;Nishiyama,Y.;Yoshida,S.;Loeb,L.A.: Nucleic Acids Research. 15. 1185-1198 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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