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1986 年度 実績報告書

前立腺微小癌の顕在化に関与する因子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480132
研究機関三重大学

研究代表者

矢谷 隆一  三重大, 医学部, 教授 (80024636)

研究分担者 草野 五男  三重大学, 医学部, 助手 (90126970)
キーワード前立腺微小癌 / 顕在化因子
研究概要

段階切片標本で検索された372例のうち133例に潜在癌が認められ、その61例が高分化型、72例が中・低分化型であった。年齢訂正有病率は潜在癌全対が35.1%、高分化型が16.5%、中・低分化型が18.6%であった。年齢別の潜在癌の有病率は50才代23.1%、60才代31.0%、70才代41.1%、80才代50.9%であり、中・低分化型は50才代7.7%、60才代13.1%、70才代25.3%、80才代33.3%と年齢依存性増加がみられた。高分化型には年齢依存性発生は認められなかった。以前の検索例との比較では、本検索例において潜在癌全体の増加がみられ(P<0.01)、それは主に中・低分化型の増加(P<0.01)によるものと考えられた。年齢別にみると、70才代に有意な増加が認められた。(P<0.01)。高分化型の頻度は二群間で有意な差は認められなかった。ホルモン定量を行なった113例のうち37例(32.7%)に潜在癌が認められた。そのうち12例が高分化型で、25例が中・低分化型であった。組織内LHおよびPRL濃度は非癌例、高分化型例、中・低分化型でそれぞれ10.61±5.36、13.39±3.75、14.79±4.37(mU/g組織±SD)および6.00±3.64,7.94±5.48,9.11±6.57(ng/g組織±SD)で、非癌例と癌例の間に有意差が認められた(P<0.05)。T,E2濃度およびT/E2比は三者の間に差を認めなかった。また、4種のホルモン濃度およびT/E2比には年齢依存性は認められなかった。これらの結果は前立腺癌のinitiationに関してはandrogenが最も大きな役割を果たしていることは疑いないが、promotion,manifestationの段階においてはLH,PRLなどの下垂体ホルモンの役割が大きいと考えられる。本研究ではLHとPRLが潜在性前立腺癌の発生および浸潤性格の獲得に関して密接な関係を有することが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ryuichi Yatani: Virchows Arch〔Pathol.Anat.〕. 395. 395-405 (1986)

  • [文献書誌] Ryuichi Yatani: Annals Clinical Laboratory Medicine. (1987)

  • [文献書誌] Itsuo Kusano: Photomedicine and Photobiology. 8. 39-40 (1986)

  • [文献書誌] Yoshifumi Kawarada: The American Journal of Gastroenterology. 81. 61-66 (1986)

  • [文献書誌] 矢谷隆一: 癌の臨床. 32. 176-180 (1986)

  • [文献書誌] 矢谷隆一: 臨床病理. 臨増. 10-18 (1986)

  • [文献書誌] Minoru Sakurai: "Methotrexate in Cancer Therapy" Raven Press, 307 (1986)

  • [文献書誌] 矢谷隆一: "がん診療Q&A" 六法出版, 1263 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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