研究課題/領域番号 |
61480140
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中林 敏夫 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90039909)
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研究分担者 |
山田 毅 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (50029774)
小俣 吉孝 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10132987)
矢野 健一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90029801)
小野 忠相 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60029783)
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キーワード | トキソブラズマ / mRNA / 熱帯熱マラリア |
研究概要 |
昭和62年度研究課題の継続課題として、熱帯熱マラリア(P.fal)可溶性抗原の諸性質を検討すべく、monoclonal抗体担体affinity-chromatography精製抗原に対する他種マラリア患者血清の反応性を検索したところ、P.vivax、P.ovale、P.malariae患者血清中にも同抗原に対する抗体が検出され、同抗原がヒトマラリア共通抗原である可能性が示唆された。一方、同抗原に対するmonoclonal抗体はin vitroにおいてP.fal虫体の赤血球内増殖阻害効果を示した。さらに急性感染患者血清中に同抗原が検出された症例にも遭遇したため、同抗原がマラリアの原因と何らかの関係があると考えられ、また、同抗原の診断および治療への利用価値が期待できよう。現在、同抗原をcodeするDNAをP.fal虫体のcDNAライブラリーから検出し検討中である。トキソプラズマ(T.gondii)虫体の有する非特異的免疫グロブリン結合性が、補体の関与によって虫体の宿主細胞内侵入阻害効果を示すことから宿主の自然抵抗性と関連性がある事が示唆されたので、結合性諸性質の生化学的諸性質を検討し、同物質の分離を試みた。現在、同物質の免疫抗原性と、T.gondii虫体のcDNAライブラリーより同物質をcodeするDNAを検出中である。 上記の実験と平行してマラリア抗原を適当なベクターに挿入し、BCG生ワクチンに感染させBCG菌からこれを分必させ、予防ワクチンとして使用しようと考え研究を進めた。まずBCG菌の分必する蛋白質、アルファ抗原、MPB64抗原の遺伝子をクローニングし、その塩基配列を決定し、大腸菌の系で発現させる事に成功した。これらの遺伝子のシグナルペプチドとプロモーターに相当する部分を切り出し、Mycobacterium fortuitumのプラスミドPAL5000とStreptomycesのプラスミドPIJ666を融合して作ったシャトルベクターφYUB12(P.N.A.S.6987,1988)につなぎ、BCG菌に感染させる実験を現在行なっている。
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