研究概要 |
1.トランスポゾンγδ配列のγ末端およびδ末端にある38bpのDNAを合成し、ベクタープラスミドpUC13にクローニングしてそれらのプラスミドにγδが転移するか否かにより、転移免疫能を調べた。その結果、δ末端の38bpには強い免疫能があったが、γ末端のそれには弱い活性しかなかった。 2.自然転移したγδから各末端を含む0.2ないし0.4kbの断片をそれらの外側のDNAを含めて別々にクローニングしたプラスミドでは、両端ともに強い転移免疫能をもっていたから、38bpのそと(標的部位)の塩基配列も転移免疫能に影響することが示唆された。因みにγδが自然転移するときは、AT-richの標的部位に転移することが知られており、一方われわれが合成DNAをクローニングしたのはpUC13とSmaI サイトでGC-richである。 3.γ末端の38bpDNAをAT-richの部位にクローニングするため、pUC13をEcoRIで切断し、Klenow酵素で処理して、AT-richなblunt endを作り、38bpDNAを結合させることを試みた。しかしDNAがクローニングされたプラスミドをスクリーニングする適当な方法がなかったため、クローニングは成功しなかった。 4,γ末端の38bpDNAを既知の標的部位配列の1つ(GTAAA)を含めて合成し、クローニングを試みた。 5.これまでに目的のDNAとほぼ同じ大きさのDNAがクローニングされたプラスミド4つを得、その1つの塩基配列を決定したところ、クローニングされていたDNAには中央付近に1塩基の脱落があった。 6.現在ほかの3つのプラスミドの塩基配列を決定するとともに、転移免疫能の有無を調べる実験を行っている。
|