研究概要 |
トランスポゾンγδ配列の末端にある38bpの逆繰り返し配列を含むプラスミドには,γδの転移が抑制される. 即ち,この38bpにはγδ配列に対する転移免疫能がある. この免疫の強さに対する隣接DNAの塩基配列の影響を調べるため,より弱い転移免疫能をもつγ末端の43bpDNAの外側に,自然にγδが転移したときの隣接塩基配列の1つであるGTAAAという5塩基の配列を加えて合成し,ベクタープラスミドpUC13にクローニングした. その結果,目的通りの配列がクローニングされたプラスミドが1つ,合成DNA配列内に1塩基の脱落や置換があるプラスミド3つが得られたので,これらを用いて転移免疫における塩基配列の特異性を調べた. 1.36番から38番の塩基配列は,AAG,TAT,ATGの順に免疫能が強く,GGGには全く免疫能がなかった. このことから,37番の塩基Aの特異性は非常に高く,36番と38番は余り高くないことが分った. 2.36番から38番の塩基がγ末端と同じTATのとき,外部の隣接塩基をTCCCC(SmaIサイト)からGTAAA(自然転移の隣接塩基)に変えると,転移免疫は強くなった. 恐らく隣接塩基としてはATリッチの配列を好むものと思われる.
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