研究課題/領域番号 |
61480150
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩崎 祐三 東北大, 医学部, 教授 (00142927)
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研究分担者 |
今野 秀彦 東北大学, 医学部, 助手 (10091688)
山本 悌司 東北大学, 医学部, 助教授 (10106487)
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キーワード | ウイルス潜伏感染 / 三叉神経節 / 単純ヘルペスウイルス / 狂犬病 / 免疫組織化学 / in situ hybridization / 逆行性軸索法 |
研究概要 |
1)HSVの三叉神経節での潜伏感染のモデルをラットに作成、ウイルス接種後15-386日目に無症状のラットの三叉神経節から培養によってウイルス分離を試みた結果、その85.7%(42/49)からウイルスを分離した。またcDNAによるin situhybridiazationによりウイルス接種後502日目にも神経細胞にviral DNAが存在することを証明し、それを逆行性軸索流によって取り込まれた細胞毒によって除去しうることを示した。 2)ホルマリン固定神経組織のパラフィン切片でウイルス抗原を証明する高感度免疫酵素抗体法を確立した。 3)本実験系についての基礎的実験として1%WGA-HRPconjugate2μlをおとがい神経に注入後48時間目に動物を灌流固定し、パラフィン連続切片についてABC法によってHRP陽性細胞の分布を三次的に再構築した。その結果この細胞は従来言われていた二・三枝と一枝の分岐部内側の他に二・三枝の外側部にも局在していることを明らかにした。 4)三叉神経を介して侵入したウイルスの脳内分布を狂犬病ウイルスについて免疫酵素抗体法により検討した。ウイルス抗原は三叉神経節では、ウイルス接種後4日目に、中枢神経では5日目以降に証明されたが、脳内のウイルス抗原の分布様式から中枢神経に侵入したウイルスは、細胞間隙を伝播して標的細胞に到達している事が推測された。また、軸索に直接ウイルスを注入しても感染が神経細胞におこる事から、細胞表面におけるuncoatingの過程が、感染成立の必要条件ではないと推論された。
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