研究課題/領域番号 |
61480162
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 継美 東京大学, 医学部, 教授 (80009894)
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研究分担者 |
本郷 哲郎 東京大学, 医学部, 助手 (90199563)
柏崎 浩 東京大学, 医学部, 講師 (60004735)
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キーワード | セレン化合物 / 投与経路 / 血中濃度 / 環境温 / 亜鉛欠乏 / グルタチオンリダクターゼ |
研究概要 |
1.これまでの研究で、亜セレン酸投与によりマウスに誘発される一過性の体温低下、摂食昂進が高温下では誘発されないことがわかった。本年度は体温低下の程度と投与直後の血しょう中、赤血球中セレンとの間の関連性について、投与経路を変えた場合、及び異なった環境温下においた場合の経時的変化を調べ、以下の知見を得た。 1-1.セレン投与2分から30分後までの経時的な血漿、赤血球中濃度を投与経路別(静脈血、腹腔内、頚部皮下、腹部皮下)に調べたところ、静脈内投与では他投与経路よりセレン濃度のピークがより早く現れた。(2分後)また、調べた投与量及び時間の範囲内でのセレン濃度は、静脈内・腹腔内からの場合赤血球>血しょうであり、これに対し皮下投与の場合、赤血球<血しょうとなって差がみられた。但し、これら投与経路によるセレン濃度の時間推移および血球・血しょう比の差と体温低下の程度の差との関連は明確ではなかった。 1-2.投与後の短時間に高温環境においたマウスの血漿および赤血球中セレン濃度は、最大30分までの間では、常温においた場合とは差がみられなかった。従って、環境温による体温低下の大きさの差は、これらの変数では説明されない。 2.亜鉛欠乏マウスの低温環境曝露に対する反応を調べるため、亜鉛欠乏餌によるマウスの飼育について、基礎的条件の検討を行った。 3.マウスを軽度のリボフラビン(Vitamin B_2)欠乏状態にして、SS代謝にかかわる赤血球中グルタチオンリグタターゼ(GR)活性値を低下させたところ、これに引き続く亜セレン投与後のマウスの急性致死毒性は有意に強まった。 4.以上の結果、及び前年度、一昨年度の結果をもとに、報告書を作成した。
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