研究概要 |
我々はすでに^<125>I-proteinAを用いたRIA法は確立しているが, さらにRh抗原を検出するためにアルカリホスファターゼ標識抗体を二次抗体として検討した. 本法はアイソトープを用いないELISAであるため, 遺伝子操作のススリーニングに用いられることが期待される. 今回使用したのは発色度の差からRh抗原のホモ型・ヘテロ型血球の判別に利用した. その結果感度的にはRIAより落ちるがO+血球とD-血球の差が十分に認められ, その他の表現型の差も得られたが, 抗C, 抗E, 抗e, 抗Fyb, 抗Jkb, 血清では判定不可能であった. 家系調査等のために検査資料を直ちに処理出来ない場合がありこれらを一時凍結保存する必要がある. 凍結した資料血液の抗原活性の安定性を検討したところ-80°Cでハギンズ液に保存するとABO式血液型及びRh式血液型抗原活性の長期保存による減少はみられなかった. Rh抗原に関与したmRNAを分離するためにヒト由来の白血病細胞K567を用いてRh抗原の有無を検討した. K567細胞は血液型抗原のi,Iが検出されるがheminによる誘導によって血液抗原P, Kel等が発現される. この細胞にheminを添加し分化した後Rh抗原の発現を前述のRIA法によって検討したところ認められなかった. 従って現在のところ培養細胞での実験が不可能であるため, サルのヒ臓からRNA及びmRNAを分離することを試みた. サルの赤血球にはRh25(LW)抗原がありヒトの抗原活性と比較すると非常に活性が高い. RNAはタンパク変性剤のグアニジンチオシアネート(GTC)を用いる方法によってRNA及びmRNAの精製を試みている. mRNAは3'-末端にpoly(A)を持つものでoligo(dT)-セルロースカラムクロマトグラフィーによりその他のRNAをとりのぞくことが出来現在検討中である.
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