研究課題/領域番号 |
61480177
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 毅 東北大, 医学部, 助手 (50110656)
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研究分担者 |
遠藤 一靖 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (60125507)
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
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キーワード | 抗DNA抗体 / 全身性エリテマトーデス / T細胞クローン / B細胞クローン |
研究概要 |
難病である自己免疫疾患の多くは、自己抗体の出現が、直接的にその病態の形成に関連するとされる。そこで、自己抗体を産生するT・B細胞株を樹立し、これを用いることによって自己抗体産生の調節機序を明らかにすることを目的とした。我々はすでにSLEの組織障害抗体である抗DNA抗体を産生するヒトB細胞株を樹立しているが、本年度、更にDNA結合活性を有するが特異性の異なるクローンを得た。この抗DNA抗体の産生には、T細胞が関与し、調節を担うことが示唆されている。しかし、このT細胞の実体は明らかではない。そこで各クローンの細胞表面に存在する抗原レセプター(これはイディオタイプ様構造を含む)を指標としてクローンの選択を行うこととした。すなわち、ヒトモノクロナル抗DNA抗体に対するマウスモノクロナル抗Id抗体を使用して、これと反応する(細胞表面に抗DNA抗体のIdを表現する)T細胞株の樹立を計り、この目的にかなう細胞株を樹立しつつある。近年、特異抗体の産生はイディオタイプネットワーク,特に抗イディオタイプ(Id)抗体によって調節されることが明らかとなり、自己抗体産生系にも、そのシステムの関与が示唆されている。我々は、前述のヒトモノクロナル抗DNA抗体及びこれに対するマウスモノクロナル抗Id抗体をプローヴとして用いて、抗DNA抗体に対する抗Id自己抗体が存在することを明らかにした。抗Id抗体は、病気のコントロールされている非活動期の多くの例で検出できるので、免疫調節機構上の役割がうかがわれた。そこで本抗体を産生するに関与するT・B細胞クローンの樹立を計っている。前述したマウスモノクロナル抗Id抗体(【Ab_2】)に対して反応するモノクロナル抗(抗Id)抗体(【Ab_3】)を産生するハイブリドーマ(ET2)を作成した。現在、このET2抗体を用い、パニング法あるいはロゼット法を駆使してそのクローン化に努めている。
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