研究分担者 |
千葉 省三 産業医科大学, 医学部, 助教授 (50010450)
織田 進 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80035237)
大田 俊行 産業医科大学, 医学部, 講師 (10140930)
山下 優毅 産業医科大学, 医学部, 助教授
白川 文彦 産業医科大学, 医学部, 助手 (10158967)
|
研究概要 |
ATL患者における免疫不全の発現機序につきin vitroで検討を行った。 1.ATL患者より得た末梢リンパ球ないしはATL株(Hut102,M【T_1】,【MT_2】)細胞はConA刺激による増殖能が欠如しているとともに、ConA刺激による正常リンパ球の増殖を抑制した。また、ATL患者血清,ATL細胞ないしはATL株細胞培養上清も同様にConA刺激による正常リンパ球の増殖を抑制した。 2.本抑制物質のSephacryl S-200カラムによる解析によると、その分子量は50,000〜70,000と考えられた。本物質は酸に対し不安定であるのに対し、塩基,トリプシン,熱処理にては安定であり、凍結,融解を繰り返すも活性は保たれた。 3.本物質はT細胞によるインターロイキン2の産生およびインターロイキン2に対するT細胞の増殖反応は抑制したが、単球のHLA-DR抗原出原、またはインターロイキン1の産生には有意の抑制作用を示さなかった。 以上の成績より、ATL細胞より何らかの免疫抑制因子が産生され、これがATL患者の免疫不全を惹起し、ひいては易感染性の原因になるものと考えられる。
|