研究課題/領域番号 |
61480196
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吾郷 晋浩 九大, 医学部, 助教授 (40037370)
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研究分担者 |
十川 博 九州大学, 医学部, 医員
永田 頌史 九州大学, 医学部, 助手 (10108722)
手嶋 秀毅 九州大学, 医学部, 講師 (00038796)
菅野 信久 産業医科大学, 教授 (80037332)
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キーワード | 気管支喘息の夜間発作 / 睡眠 / 自律神経機能 / マイクロバイブレーション / 呼吸パターン / 夢 / 心身医学的治療 |
研究概要 |
気管支喘息の治療のために入院中の患者を対象として、就寝前に装着させた長時間動態生体現象記録用データレコーダにより、睡眠中の脳波、マイクロバイブレーション(MV)、心電図、呼吸パターンなどを経時的に記録してそれらを解析し、現在までに次のような結果が得られている。 1.夜間の喘息発作は、逆説睡眠期(REM期)に起こる場合が多い。とくに喘息発作が出現する群では、出現しなくなっている群に比べて、REM期前後での脈拍数、呼吸パターン、MVなどにみられる変化が大きい症例が多い。 2.REM期に一致して起こった喘息発作のために途中覚醒のみられた症例のうち、夢を見たことを記憶している症例では、不諭快な夢を見ていたと報告するものが多かった。 3.REM期または夢と関連して喘息発作が起こっていると思われる症例には、心理・社会的な問題の末処理の症例が多かった。ただし入院して心理・社会的な問題から隔離されたことで心身両面で安定したと思われる症例では、たとえ現実には心理・社会的な問題が末処理であっても、喘息発作が起こりにくくなる場合が多いように思われた。 今後の課題として、1.入院後も夜間に喘息発作が起こり続ける症例と起こらなくなる症例とで、(1)睡眠中、とくにREM期の生理学的条件にどのような違いが生じているのか、(2)それらの違いに夢が関連しており、それに日中に末解決の心理・社会的な問題が関連していると言いきれるか、(3)その日中の心理・社会的な問題が心身医学的治療によって、REM期前後の自律神経系の機能にどのような変化が起こりうるのか。そのような生理学的な変化によって、夜間の喘息発作の予防が可能となるのか、などについて2.同一症例を対象として、家庭訪問による入院前の状態からデータをとり、治療経過を通して詳細に検討を重ねて、夜間の喘息発作の出現のメカニズムを明らかにし、治療法を確立する。
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