研究課題/領域番号 |
61480200
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
長坂 行雄 近大, 医学部, 講師 (40180468)
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研究分担者 |
藤本 知久 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 助手 (20181399)
上西 豊基 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 助手 (60176609)
東田 有智 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 助手 (50167524)
志波 邦夫 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 助手 (60167442)
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キーワード | 肺循環 / 摘出肺還流 / 肺循環、気道同時評価 / マイクロパンクチャー / 肺徴小血管圧 / 肺血管作動物質 / 気道収縮物質 |
研究概要 |
1、猫摘出肺環流標本における肺循環の同時評価モデルの作製:今後の実験に必要な、肺循環および気道の同時評価が可能となる実験モデルの作製および計測に成功した。今回のモデルは研究代表者が作製したオリジナル(NagasaKa,1984)に比し、回路の一部(熱交換器およびポンプ)の変更によってpriming volumeが若干増加した為、希釈度が高まり、ヘマトクリットが平均11→7%へと下降した以外、大きな差異はない。気道パラメターの測定回路も改良を重ねた結果、気道内圧、気流速、気流量の同時記録が可能となった。また後に述べる実験を通じて、当実験モデルが、肺循環系、気道系とも十分な反応性を有することも明らかとなった。肺表面の状態も、観察し得る限り良好で、今後のマイクロパンクチャーによる肺徴小血管圧の実測にも十分使用可能と考えられる。 2、当モデルでの肺循環、気道パラメターに及ぼす薬剤の影響:当モデルが肺循環系の評価に適切であることは、既に研究代表者が報告しているので、気道に対する作用の強力な薬剤(メサコリン,アセチルコリン,ヒスタミン)の投与を行って、各パラメターの反応をみた。メサコリンの気道内注入では、肺(気道)抵抗の明らかな上昇を認める投与量でも循環に及ぼす影響は僅かだった。一方、メサコリンを血流内に投与すると肺(気道)、循環抵抗ともに上昇した。ヒスタミンの気管内注入では、肺(気道)、循環とも同程度の反応を認めた。アセチルコリンはメサコリンに比し約50倍の投与量で、類似の反応を認めた。以上より各種血管(気道)作動物質の種類によって、血管および気道の反応性は、夫々異なることを明らかにした。これらの結果のうち、メサコリン気管内投与によるものを第 回日本胸部疾患学会総会で発表する。その他のデータも順次発表予定である。
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