研究課題/領域番号 |
61480200
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
長坂 行雄 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 講師 (40180468)
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研究分担者 |
波津 竜平 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 助手
藤本 知久 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 助手 (20181399)
上西 豊基 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 助手 (60176609)
東田 有智 近畿大学, 医学部第4内科学教室, 助手 (50167524)
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キーワード | 低酸素性肺血管攣縮 / LTC_4 / LTD_4 / 猫摘出還流肺 / 気道攣縮 / 肺微小循環 / 気道粘膜浮腫 / アセチルコリン / ヒスタミン / PAF / 気道過敏性 / 気管支喘息 / 血管透過性 / 肺水腫 |
研究概要 |
62年度までに十分な検討が行えなかった肺微小血管圧の測定がVenous Occlusion(VO)法およびMicropuncture(MP)の両方法とも可能となった。低酸素性肺血管攣縮に関してはLTC_4、D_4の受容体阻害剤(ONO1078)を用いて肺血管系のresting toneを下げ、この間に肺微小静脈圧を僅かだが低下させることを明らかにした。しかしこの阻害剤では低酸素性肺血管攣縮の明らかな抑制は認められなかった。すなわちLTC_4、D_4の低酸素性肺血管攣縮への関与は少ないものと結論した。同時に進めていた気道と肺微小循環の関連については、多くの知見が得られた。気道攣縮をAcetylcholine(Ach)、Histaminl(Hist)およびPAFで誘発(気道内注入)、生食の気道内注入をコントロールとした。まず、このモデルは生食でも気道攣縮を惹起し、気道過敏性のモデルとしても用いられることを明らかにした。Achによる気道攣縮では肺微小静脈圧に変化はなく、一方Hist、PAFによる気道攣縮では上昇を認めた。気管支喘息にみられる気道粘膜浮腫は、局所の血管透過性の亢進によるものとされているが、この結果より化学伝達物質の種類によっては静脈のtoneの上昇から気管支の微小血管圧の上昇を引き起こし、これが気道粘膜浮腫の悪化要因となることが明らかとなった。これらの物質を血流内に投与すると気道内投与に比して強い肺血管系の反応が認められた。PAFは血管透過性を亢進させることが知られているが、その微小血管圧に及ぼす影響に関しても検討した。PAFを血流内に投与すると肺動脈圧の上昇と、わずかな肺微小静脈圧の上昇が認められ、それとほとんど同時にストレインケージで測定している肺葉の重要の増加が認められた。重量増加の程度は微小静脈圧上昇の程度に比して著しいと考えられ、PAFによる肺水腫の主因はやはり血管透過性の亢進によるものと考えた。この点は更に検討を要する。
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