研究分担者 |
鈴木 信也 岡山大学, 医学部, 助教授 (70032901)
橋本 浩三 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (60033370)
平川 秀三 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (60156651)
高取 克彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究概要 |
1.昨年報告したin vitroミクロオートラジオグラフィー(ARG)の検討により, 腎ANP受容体は主に糸球体に存在することが明らかになった. 今回はさらに糸球体における詳細な局在を明らかにする目的で,in vitro電顕オートラジオグラフィーの手法を確立し, 糸球体におけるANP受容体を検討した. その結果, ANP受容体は上皮細胞足突起に存在することが明らかとなった. 2.ARGフィルムをコンピュータ画像解析装置(アマシャム社RAS1000)を用いて解析することによりARGの画像上の特異的結合を定量的に検討することが可能となった. 3.高血圧自然発症ラットの腎ANP受容体の関して, 腎ホモジネートを用いたRRAと上述したARGのコンピュータ画像解析の両者で比較検討した結果, 高血圧発症前の3〜4週齢ですでにANP受容体が減少し, その変化は12〜13週齢まで持続することが明らかとなった. 4.DOCA食塩高血圧ラットを作成し, 腎ANP受容体の変化について検討した. DOCA群でDOCA投与開始第3週ごろより血圧の上昇を認め 第5週には高血圧状態が作成された. 腎ANP受容体は第3,5週ともコントロールに比較して有意に減少しており,この時点での血中ANP濃度は有意の上昇を認め, この変化は, down regulationを表していると考えられた. 以上より,2つの高血圧モデルにおいて腎ANP受陸体が高血圧の発症,進展に関連して変化することが予想され, さらに薬剤の影響や, 他の高血圧モデルについても検討を進めたい. また,腎vasopressin受容体についてもSHRの高血圧の進展にともないどのような経時的変化をしめすか, ARGの画像解析装置により検討中である.
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