研究課題/領域番号 |
61480209
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
太田 善介 岡山大学, 医学部, 教授 (90032870)
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研究分担者 |
高取 克彦 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
鈴木 信也 岡山大学, 医学部, 助教授 (70032901)
橋本 浩三 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (60033370)
平川 秀三 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (60156651)
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キーワード | 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP) / 腎 / α受容体 / DOCA食塩高血圧ラット / オートラジオグラフィー / 画像解析装置 |
研究概要 |
1.3,8,12週齢の高血圧自然発症ラット(SHR)腎における心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体は、ホモジネートを用いた受容体結合実験(RRA)において、コントロールの正常血圧ラット(WKY)に比較して、すべての週齢で有意に親和性の上昇と結合の減少をみとめた。また、オートラジオグラフィー(ARG)法による受容体分布の検討では、SHRとWKYで差はみられず、週齢によっても分布パターンに変化を認めなかった。このオートラジオグラフィーを画像解析装置によって定量的に分解すると、RRAと同様にSHRで結合の低下を認めた。SHR腎のANP受容体の減少は、高血圧発症前の3週齢より認められており、遺伝的変化と考えられた。2.DOCA食塩高血圧ラット腎においては、ANP受容体はコントロールより有意に低下しいるが、血中ANPはDOCA群で上昇しており、ダウンレギュレーシヨンによるものと考えられた。3.SHRの腎受容体について、α受容体の変化をANPと対比する目的で検討した。まず、^3Hーブナゾシンおよび^3Hーヨヒンビンを用いて、腎α受容体のRRAのアッセイ法を確立し、ARG法にてα_1,α_2受容体の分布を検討し、さらに、SHRおよびWKYの腎α受容体の分布変化を、ARG法にて検討するとともに画像解析装置にてα受容体の結合量を定量的に比較検討した。その結果、腎α受容体はANPと異なり、SHRで有意に上昇を認めており、しかも高血圧発症前の3週齢より認められた。降圧作用を有するANPと昇圧作用を有するα作動性物質の受容体がSHR腎において全く相反する受容体変化を呈することは、興味深い。4.ANP受容体変化の最終検討として、ヒト腎生検切片を利用したANP受容体の変化をin vitroミクロオートラジオグラフィー法を用いて検討中であり、高血圧、腎疾患におけるANP受容体変化の興味深い結果が得られつつある。
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