研究課題/領域番号 |
61480214
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
黒梅 恭芳 群大, 医学部, 教授 (40008280)
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研究分担者 |
長嶋 完二 群馬大学, 医学部小児科, 助手 (00164418)
富沢 滋 群馬大学, 医学部小児科, 講師 (90125865)
田村 宏 群馬大学, 医学部小児科, 講師 (10008295)
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キーワード | digoxin-like immunoreactive substanoe(DLIS) / human atrial natriuretic peptide(h-ANP) / 【Na^+】,【K^+】-ATPase |
研究概要 |
目的:近年、新生児血清中にdigoxin-like immunoreactive substance(DLIS)の存在が報告され、その生物学的意義について注目されている。本研究では、DLISの新生児期における役割をみるためDLISのナトリウム利尿作用について検討した。 方法:(1)DLIS抽出物の作成;臍帯血をHCI-aceton-etherにて抽出し、Se-phadex G-25にて分画し、DLIS抽出物(試料A;DLIS 1.0ng/ml)を作成した。次にラット脳シナプトゾームを用いて、試料AよりDLISを完全に吸入した溶液(試料B)を作成した。(2)ラット腎動脈灌流法;Wister系ラットを用い、左尿管および腎動脈にカテーテルを挿入した。試料A,Bおよび試料と同濃度の電解質(Na,K,Cl)を含む溶液(コントロール液)を、左腎動脈より20ul/minの速度で注入した。注入時間は1時間であり、試料注入前後は、コントロール液を同速度で注入した。採尿は60分毎に行ない、中間点にて大腿動脈より血液を採取した。そして、採取した血液および尿中のクレアチニン濃度、ナトリウム濃度を測定した。 結果:試料A注入により尿中ナトリウム排泄量(クレアチニン補正;U-Na/Cr)は注入終了後2時間にて頂値に達し、統計学的にも有意なナトリウム排泄の増加を認めた(P〈0.01)。しかし、試料Bおよびコントロール液注入時では、U-Na/Crの増加は認められなかった。 まとめ:臍帯血のDLIS抽出物のナトリウム利尿作用が確認され、DLISが新生児期のナトリウム代謝に関与する可能性が考えられた。
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