研究概要 |
1.サイトメガロウイルス皮内抗原液の調製 サイトメガロウイルス(AD169株, Towne株, 野性株)をヒト線繊芽細胞に感染させ, 細胞変性効果が100%に達した時点で培養上清を無血清培地と置換し, 更に5日間4℃に放置した. この上清より超遠心法にてウイルス粒子を除去したものにはサイトメガロウイルス感染細胞特異的な糖蛋白貭が含まれており, これを皮内抗原粗材とした. 2.サイトメガロウイルスサブユニットワクチンの調製 同上の方法で得た培養上清より超遠心法によって得たウイルス粒子をdetergentを用いて溶解し, 更にConーAカラムを吸着させ, 続いてカラムより糖蛋白貭を溶出させて, これをワクチン粗材とした. 3.モルモットによるワクチンの免疫原性テスト ワクチン粗材をモルモットに接種して, 誘導される免疫(血中抗体,細胞性免疫)を中和試験, LTF試験によって測定中である. 4.モルモットに於て誘導される細胞性免疫の皮内テストによる評価 上記免疫モルモットに皮内テストの試み, 誘導される細胞性免疫能についてLFTとの比較を行った. その結果両者は有意に相関することが明らかになった. 5.腎移植患者におけるサイトメガロウイルス抗原の動態 上記の皮内テスト液を用いて, 腎移植患者の免疫能を評価すると同時に, 患者尿からウイルス分離を行なった. その結果, 約50%の患者からサイトメガロウイルが分離され, そのような患者の免疫機能がウイルス特異的に抑制されていることが判明した.
|