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1986 年度 実績報告書

レクチンによる分泌型IgAの簡易精製法の開発と分泌型IgA経口投与の臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 61480217
研究機関山口大学

研究代表者

小林 邦彦  山口大, 医学部, 助教授 (60091451)

研究分担者 内田 正志  山口大学, 医学部, 助手 (40168703)
キーワードレクチン / 分泌型IgA / IgAサブクラス
研究概要

1.レクチン抽出用パンノ木種子の入手:2種のパンノ木種子,一つはフィリッピンから得たArtocarpus heterophillusで他の一つはマレーシアからのA.integerを得た。この2種についてIgAとの結合性を比較した。
2.レクチンの糖蛋白結合特異性:A.heterophillusのレクチンはヒトの乳漿蛋白のうち、分泌型IgAとのみ結合した。しかし、血清蛋白ではIgAのほかβグロブリンの一部とも結合した。IgAの2つのサブクラス、IgA1とIgA2、を用いて、サブクラス特異性をみると、このレクチンはIgA1とのみ結合した。A integerは、これに対し、IgGをのぞくすべての免疫グロブリンと結合した。勿論このレクチンは血清蛋白の一部とも結合した。
3.レクチンの糖特異性:ヒト赤血球はこのレクチンにより凝集をおこす。この赤血球の凝集系に種々の糖を加え、その凝集阻止反応で、レクチンの糖特異性をみると、2種のレクチンともにガラクトース,ガラクトサミンに特異的結合性のあることが明かになった。
4.アフィニティカラムの作製と分泌型IgAの分離:A.heterophillusレクチンをBrCN活性化のセファローズ4Bに結合し、アフィニティカラムを作製した。このカラムにヒト乳漿の硫安50%飽和沈澱物を通し、よく洗浄後、0.5Mのガラクトース液で溶出すると分泌型IgAはほぼ純粋にとれた。このアフィニライカラムの溶出物の分画採取には、本研究費で購入したLKBへリラックフラクションコレクター,紫外吸収操置を用いた。
5.結論:A.heterophillusレクチンはガラクトース結合レクチンで、このアフィニティカラム法で乳漿からIgAを簡単に精製できた。本法で得られるIgAは分泌型IgA1サブクラスである。本精製IgA1の臨床応用は次年度の予定。本法の開発にLKBクロマト操置は不可欠であった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kobayashi,K.: Recent Developments in Mucosal Immunology.

  • [文献書誌] Kobayashi,K.: Recent Developments in Mucosal Immunology.

  • [文献書誌] 小林邦彦: 臨床検査. 30. 971-980 (1986)

  • [文献書誌] 小林邦彦: 消化器と免疫. 16. 1-7 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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