研究分担者 |
足立 和彦 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40183628)
名木田 章 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00164476)
三木 正之 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40183628)
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30179874)
矢追 公一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70131357)
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研究概要 |
1.ビタミンE栄養評価:前年度までの研究で出生時体重1500g以上の未熟児は出生時、出生后とも赤血ビタミンE値は欠乏値を示さず、ビタミンE欠乏状態のものは少いことを知った(MINO.Am.J.Clin.Nutr.1985;41,631)。今回は1,500g以下の極小未熟児のビタミンE栄養状態を赤血球ビタミンE値から検討した。その結果、出生時1,000g以下の未熟児でも出生直後は赤血球ビタミンE値は正常値範囲内にあり、欠乏状態を示さなかった。その後、1,000-1,500gの未熟児が恒に正常範囲内値を維持しているのに、1,000g以下の未熟児は、出生後3-7週の間は欠乏値(115μg/dl)に陥っていることを知った。1,000g以下の出生時体重未熟児は出生後にビタミンE欠乏状態になるものと思われ、その原因は脂肪吸収機構の未発達によるものであろうと考えられ、次の研究検討課題とする。 2.過酸化障害の検討:前回の検討で【・!0(^--2)】発生系とアゾ化合物ラジカル発生系の生体膜反応の様式が異ることを知った。同じく赤血球膜を同い、ジアルル酸反応、ヒドロペルオキシド反応、鉄-アスコルビン酸反応を加へてTBA反応生成と微量化学発光の変化と溶血から生体膜過酸化障害の機構を検討した。その結果、ラットビタミンE欠乏赤血球はこれらすべてのラジカル開始反応で溶血し、その溶血に際してTBA反応生成物と微量化学発光の増加が【・!0(^--2)】発生系反応時の溶血と同じ様に認められた。ビタミンE非欠乏赤血球ではこれらすべての反応による溶血は完全に阻害された。そして、ほとんどの反応系では、溶血の阻止と共に、TBA反応生生物の増加も微量化学発光の増加もほゞ完全に抑制されたが、ヒドロペルオキシド反応のみは、ビタミンE非欠乏赤血球でも微量化学発光のみの増加が認められ、ある程度の過酸化反応の進行があったものと予想された。
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