研究課題/領域番号 |
61480227
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 山梨医科大学 (1988) 東京大学 (1986-1987) |
研究代表者 |
玉置 邦彦 山梨医科大学, 教授 (30010432)
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研究分担者 |
飯島 正文 昭和大学, 医学部, 助教授 (20010449)
中村 晃一郎 東京大学, 医学部, 医員 (60175502)
石井 晶子 東京大学, 医学部, 医員
関 利仁 東京大学, 医学部, 講師 (50114525)
ISHII Akiko Branch Hospital, Faculty at Mcdicine, University of Tokyo
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 皮膚移植 / 遅延型過敏反応 / cytotoxic T細胞 / 表皮細胞 |
研究概要 |
皮膚移植における"passenger leukocyte"がランゲルハンス細胞(LC)である可能性についての検討を行ってきた。そのために、まず、表皮細胞に対する反応を検討することとし、in vivoでアロの表皮細胞でマウスを免疫し、遅延型過敏反応(DTH)を誘導することに成功した。そしてその系でのLCの役割を検討することとした。はじめに、紫外線(UVB)を表皮細胞に前照射し、DTH反応をみたところ、著明に抑制されることが示された。次に、そのようなマウス脾細胞のcytotoxic Tcell活性(CTL活性)について検討したところ、CTL活性も抑制されることが示された。しかも、このようなDTH、CTLの抑制をうけているマウスは、皮膚移植拒絶反応を二次反応ではなく、一次反応で拒絶することも明らかとなった。これらより、LCがアロ抗原に対する免疫反応に重要であることが示された、と考えた。次に、特殊な状況下で、LCのみが異なるクラスIINHCを表現するようにし、その表皮細胞を用いてDTH、CTL反応を検討した。ここで、表皮細胞を予め抗Ia抗体と補体処理によってLC欠如の状態にしてみたところ、DTH、CTLのいずれにおいても抑制が認められた。従って、LCはアロ抗原に対するDTHに対しても、CTLに対しても重要であると考えられた。ところが、この系で、前辺のUVB量を用いて同様に検討してみたところ。DTHの抑制はおこすものの、CTLの抑制は認められなかった。UVBによるCTL抑制の相異については明らかではないが、可能性としては、表皮内に存在する抑制機能をもつ細胞がUVBによって活性化されたか、或いはCTL活性を抑制するサイトカインがアロの表皮細胞、とくにケラチノサイトによって産生された、などを考えている。いずれにしても、UVB照射によってアロ抗原の機能抑制のみられることは、表皮移植においては、拒絶反応の抑制をもたらす可能性を示唆したものと考えられ、その方向で更に検討を進めたいと考えている。
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