研究課題/領域番号 |
61480230
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小川 秀興 順天堂大学, 医学部皮膚科, 教授 (30053151)
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研究分担者 |
矢口 均 順天堂大学, 医学部皮膚科, 助手 (60191095)
高森 建二 順天堂大学, 医学部皮膚科, 助教授 (40053144)
中尾 裕史 順天堂大学, 医学部皮膚科, 研究生
坪井 良治 順天堂大学, 医学部皮膚科, 助手 (70221421)
栗田 依幸 順天堂大学, 医学部皮膚科, 助手 (80201474)
NAKAO Hiroshi Juntendo university School of Medicine
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 悪性黒色腫細胞 / 線維肉腫細胞 / 皮膚悪性腫瘍 / 線維芽細胞 / プロテアーゼ / プロテアーゼインヒビター / 浸潤 / 転移 |
研究概要 |
(1)B_<16>アウスメラノーマ培養細胞に種々のプロテアーゼインヒビターを添加し腫瘍細胞の増殖と細胞内プロテアーゼの挙動を検索したところ、サイオールプロテアーゼインヒビターの中のロイペプチン,キモスタチン,アンチパインは、カテプシンB活性を抑制するどころか逆に産生を増加させることが示された。(2)繊維肉腫細胞を用いた実験でもロイペプチン添加によりカテプシンB及びヘモグロビンハイドロラーゼ活性が上昇することが観察された。(3)ケラチノサイド系の腫瘍魂を用い腫瘍の悪性度と種々のプロテアーゼ活性との相関を検討したところ悪性度の高いものほど、さらに未分化度が増すほど腫瘍細胞内のタイプI及びIVコラゲナーゼ活性が高値を示すことを報告した。(1)〜(3)の報告は腫瘍細胞自身のプロテアーゼ活性に着目したものであるが、さらにin vitroにおいて悪性腫瘍細胞と腫瘍構成成分との相互関係を各種プロテアーゼをアーカーとして検討した。(4)その結果、線維肉腫細胞は正常皮膚線維芽細胞内のカテプシンBおよびヘモグロビンハイドロラーゼの産生を賦活化する作用を有する低分子物質を産生、放出しておりその物質は熱やトリプシン処理に安定であることを報告した。(5)また逆に、線維肉腫細胞は周辺正常組織構成成分であるコラーゲンやフィブリンを培養溶液中に添加培養することにより、細胞内カテプシンB活性が上昇することを報告した。(4)(5)のような腫瘍細胞と間質構成成分及び細胞との相互関係について今後さらに検討を続けてゆきたい。(6)また、現在腫瘍組織におけるプロテアーゼインヒビターの抗体を用い、免疫組織学的に検討し興味ある結果を得つつある。
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