研究課題/領域番号 |
61480231
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
新村 眞人 東京慈恵会医科大学, 皮膚科, 教授 (00010190)
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研究分担者 |
石田 卓 東京慈恵会医科大学, 皮膚科, 助手 (90159731)
戸沢 孝之 東京慈恵会医科大学, 皮膚科, 講師 (50155529)
本田 まりこ 東京慈恵会医科大学, 皮膚科, 講師 (20100919)
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キーワード | ヒト乳頭腫ウイルス / ウイルス性疣贅 / ウイルス発癌 / 光圭コンジローム / 皮膚悪性腫瘍 |
研究概要 |
ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus,HPV)は、皮膚や粘膜に種々の疣贅をつくるが、一部の悪性腫瘍細胞中にHPV・DNAが存在することから、これらの悪性腫瘍の発生にこのウイルスが関与していると考えられている。悪性腫瘍から検出されるウイルスは特定な型に限られており、疣贅状表皮発育異常症患者から分離された5、7、8、20型などのウイルスと、主として子宮頚癌組織からクローニングされた16、18、31、33、35型などのウイルスである。われわれは各型のHPV・DNAプローブを用い、型特異性のあるin situ hybridization法により、臨床的,組織学的に光圭コンジロームと診断した男性48例、女性16例、計64例の外陰、肛門部の疣贅についてHPVの型の検索を行った。その結果、HPV-6型が39例(61%)、HPV-11型が14例(22%)と全体の83%を占め、6型と11型との比は約3:1であった。このほかHPV-2型が1例検出され、大部分は良性のウイルス性疣贅から検出されるウイルスであったが、2例からは通常悪性腫瘍細胞から検出されるHPV-16型のウイルスが検出されている。また最近では、HPV・RNAプローブを用い、dot hybridizationを行う方法が開発されているが、この方法は型特異性も高く、短時間に多数の検体について検索を行うことができるので、スクリーニングに適している。また疣贅状表皮発育異常症患者からは、5、8、9、12、17、19、20型などの多数の型のウイルスが分離されているが、これらのウイルスは、この症患の患者のみから分離されるものであり、本症患者に多発する皮膚悪性腫瘍の発生に関与しているものと考えられている。われわれは、本症患者の良性皮疹から抽出した抗原で家兎を免疫し、本症の良性、悪性の腫瘍のみと特異的に反応する抗体を作成した。
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