研究概要 |
1.【^(11)C】標識イミプラミンの合成ーデシプラミンをアセトンに溶解し、ドライアイス-アセトン冷却下11【CH_3】Iを吹き込み、50℃10分間反応後、HPLCで精製を行った。単離した標識体を塩酸塩とし、生理食塩水に溶解滅菌し、11C標識イミプラミン注射液を得た。11【CH_3】I吹き込み後30分で製剤化を終了し放射活性量は平均9mci,放射化学収率平均42%,放射化学的純度は99%以上,比放射能平均37Ci/mmolであった。 2.【^(11)C】標識イミプラミンの体内動態ー11C標識イミプラミンの投与60分までの体内動態について検討したところ、肺及び腎臓に高い集積が見られた。また投与後短時間で脳に取り込まれ、その取り込みは用量依存的であった。脳内では線条体,視床下部に高い分布を示し、他の部位と異なり投与後60分でも放射活性の減少は見られなかった。 3.【^(11)C】標識メタンフェタミンの合成と体内動態ートリフルオロアセチルアンフェタミンをドライアセトン,粉末KOH中、ドライアイス-アセトン冷却下11【CH_3】Iを吹き込みトラップする。50℃10分間反応させた後120℃10分間アルカリ加水分解を行った。以下、イミプラミンの標識化と同様の操作を行った。11【CH_3】I吹き込み終了後65分で製剤化を完了し、得られた放射活性量は0.1mCi,放射化収率7.7%,放射化学的純度98%,比放射能3mCi/mmolであった。体内分布はイミプラミンと同様の傾向を示し、アミン系薬物に見られる特徴的な分布と考えられた。 4.今後の予定ー【^(11)C】標識イミプラミンの合成は比放射能の上昇を検討し、ポジトロンCTによる画像化を試みる。【^(11)C】標識メタンフェタミンの合成は不十分であるので更に検討を重ね、脳内動態,レセプターの分布等も試みる予定である。
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