研究概要 |
二個のテルル化カドミウム検出器と携帯型放射能計測装置からのデータをマイクロコンピュータに収集するプログラムを開発した。次に、【^(99m)TC】標識赤血球による心プールからこのシステムを用いて得られたデータをもとに、左室駆出率,1/3駆出率,最大駆出速度,最大流入速度,最大駆出速度に達するまでの時間,最大流入速度に達するまでの時間および心拍数を推定し、表示するプログラムを作成した。このシステムで求めた上記左室ポンプ機能の各種指標とシンチカメラコンピュータシステムによって求めたそれらとを比較検討し、両者間に高い相関々係が成立することを確認した。ニトロール負荷時,カルシウム拮抗剤負荷時,エルゴメータによる運動負荷時,30分間左室ポンプ機能を連続的にモニターし、各種負荷直後における左室ポンプ機能の急激な変化をも正確に追跡できることを確認した。 ファントームを用いた試験結果にもとづき、脳脊髄液(CSF)短絡流量を算出するプログラムを開発した。本システムを用いて、背臥位,頭部挙上位,坐位,立位など種々の体位におけるCSF短絡流量の測定を試み、体位の変化により、CSF短絡流量が大きく変化することを発見した。このように任意の体位でのCSF短絡流量の測定は、本システムを用いてのみ可能であり、今後、水頭症の治療に大きく貢献するものと考えられる。 今後の課題としては、左室ポンプ機能の長時間モニタリング(特に、普通の生活情況下における)、各種負荷に伴なう肺血液量の経時的変化のモニタリング,運動負荷時の腎機能の変化のモニタリングなどをとりあげる予定である。
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