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1986 年度 実績報告書

骨・カルシウム代謝研究における核医学手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61480240
研究機関川崎医科大学

研究代表者

森田 陸司  川崎医大, 医学部, 教授 (60026896)

研究分担者 大塚 信昭  川崎医科大学, 医学部, 講師 (20140519)
福永 仁夫  川崎医科大学, 医学部, 助教授 (00093302)
キーワード腎性骨異栄養症 / 骨塩量 / 骨シンチグラム / 骨組織像
研究概要

慢性腎不全患者に合併する骨病変である腎性骨異栄養症の病態は多彩であり、その病因はまだ不明である。そこでその病態を明らかにするために透析期間3ケ月より9年に至る患者97名について、血液生化学像、全身骨シンチグラム及びX線CT法による腰椎の骨塩量との関係を検索し、併せて腸骨より得た骨組織像との関係を検討した。
〈結果と考按〉:標準化した方法により得た骨シンチグラムを、その特徴によりA型;全身骨へのRI集積の極めて低下したもの、C型;ほぼ正常像を示すもの、D型;助軟骨、胸骨、頭蓋骨へのRI集積が増加するもの、F型;全身骨ことに頭蓋骨、下顎骨へのRI集積が著明に増加するもの、に分類した。
これらの型での血中の生化学的パラメーターの特徴は、D型は低リン血をF型はアルカリフォスファターゼの非常な高値を示したことであり、血中PTH濃度は、F型はN端測定、M部分測定、C端測定のいずれの測定法においても高値を示し、それらの値はD型、C型の順に低下し、A型はいずれの系においても低い値を示した。X線CTで計測した骨塩量と病型との関係をみると、骨へのRI集積の高いもの程骨塩量の増加がみられた(r=0.77)。つまりRI集積の高いF型は正常人より骨塩量が多く、代謝活性はかなり高く、かつ骨塩量も多いことを示しており逆に骨へのRI集積の低いA型は骨塩量も低い、つまり骨の代謝活性は低下し、骨塩量も少ないことを示している。シンチグラム上の病型分類と、組織学的所見との対応は、まだ充分な材料が得られていないが、A型は、いわゆる不活性な組織像を示すものが多くF型は破骨細胞、骨芽細胞が増加し、かつ骨量も多い組織像を示すものが多くみられた。これらは病態が異なる病型に属するか、単なるステージの違いなのかは、今後検討する必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 大塚信昭: 腎と骨代謝. 4巻. 37-42 (1986)

  • [文献書誌] 森田陸司: 腎と骨代謝. 4巻. 199-223 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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