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1986 年度 実績報告書

バセドウ病の成因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480252
研究機関長崎大学

研究代表者

長瀧 重信  長崎大, 医学部, 教授 (70010311)

研究分担者 江口 勝美  長崎大学, 医学部, 助手 (30128160)
和泉 元衛  長崎大学, 医学部, 講師 (80039552)
キーワードバセドウ病の成因
研究概要

手術時得られたバセドウ甲状腺の細胞培養を行い、TSH,DBCAMPで培養液中に【T_3】、サイログロブリンの分泌する培養系を確立した。この系にバセドウIgGを加えても【T_3】の分泌増加はみられなかった。インターフェロンγを加えると、明らかに甲状腺細胞膜にDR抗原が出現した。一方【T_3】,サイログロブリンの分泌は明らかに抑制された。このホルモン分泌抑制とDR抗原の出現は正の相関がみられた。
TSHを加えた場合も、DBCAMPを加えた場合いずれもインターフェロンγはホルモンの分泌を抑制した。インターフェロンγはCAMP産生後のステップに作用してホルモンの分泌を抑えると思われる。
バセドウ病甲状腺細胞には一部、DR抗原陽性細胞が存在しているが、これら細胞はホルモン分泌機構は低下していることが予想され、ホルモン分泌亢進はDR陰性の細胞によると思われる。一方橋本病では甲状腺細胞の多くはDR抗原陽性であり、これら細胞のホルモン分泌低下のため、機能低下症をきたすと考えられる。
バセドウ病甲状腺内リンパ球はサプレッサーT細胞が末梢細胞に比較して明らかに減少し、サプレッサー機能も低下していた。バセドウ病甲状腺細胞と末梢T細胞を混合培養すると、バセドウ病細胞も、T細胞いずれもお互いに活性化され、細胞表面にDR抗原が出現した。
バセドウ病甲状腺細胞が何らかの原因で(インターフェロンγなどで)DR抗原を発現するようになり、これがT細胞を活性化し、これ自体もまた、甲状腺細胞に作用して甲状腺細胞を活性化すると同時に、バセドウ病甲状腺内で甲状腺刺激抗体を産生するように作用し、DR陰性の甲状腺細胞が刺激されホルモンが多量に分泌され甲状腺機能亢進症を惹起するものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nagayama.Y,: J.Clin Endocrinol Metab.

  • [文献書誌] Ishikawa.N,: J.Clin Endocrinol Metab.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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