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1988 年度 実績報告書

BB/Wラットにおける甲状腺上皮細胞上のIa抗原の存在とその病因的意義

研究課題

研究課題/領域番号 61480253
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

石井 淳  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40049763)

研究分担者 谷川 俊則  埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90167502)
片山 茂裕  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90167338)
河津 捷二  埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (30134547)
原 義人  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00112649)
キーワード自己免疫性甲状腺炎の病因 / 実験的自己免疫性甲状腺炎 / BBラット / ヨード代謝 / TSHレセプター抗体 / 甲状腺機能低下症
研究概要

本年度は、BB/Wラットにおけるヨード代謝異常の有無を明らかにしたいと考えた。指標としては、甲状腺への放射性ヨード摂取率、ヨード含量測定、甲状腺抽出液のヨード化蛋白解析、甲状腺機能を測定した。また、BB/Wラットでは初めてのTSHレセプター抗体(TRAb)の測定を行った。対象は、未だ甲状腺へのリンパ球浸潤がみられない8週齢BB/W(n=12)と甲状腺炎が十分に発現している16週齢BB/W(n=9)で、対照として同週齢の正常ウィスターラット(NW)を使用した。成績:(1)甲状腺腫;16週齢BB/Wは、単位体重あたりの甲状腺重量の著しい増大を示した。体重で補正しない場合でも、明らかな経時的増大傾向が見られた。(2)甲状腺放射性ヨード摂取率;8週齢BB/Wですでに、NWと比べ、低下傾向が見られ、16週齢ラットにおいては、明らかな低下が見られた。(3)ヨード化蛋白とそれへのI-131取り込み率;8週齢BB/Wでは、単位蛋白当たりのI-131取り込みがすでに低下していた。蛋白の溶出パターンは、両者に差は見られず、異常蛋白の出現は否定された。16週齢BB/Wでは、8週齢で見られた差がより著明となり、蛋白の溶出パターンの第二ピークが、ややが高く出てくる傾向がみられた。(4)I-131取り込み率が最も高いフラクション(つまりサイログロブリンのピークと考えられる)の全ヨード含量;16週齢BB/Wでは、全ヨード含量も有意に低下していた。(5)甲状腺機能;FT3とFT4は、BB/WとNWの間に有意差は認めなかった。しかし、TSHは8週齢BB/Wですでに有意に増加し、16週齢BB/Wでは著名に増加していた。(6)TRAb;16週齢のBB/Wの内、3個体(33%)で陽性であった。しかし、cAMP産生を指標とした、TSH作用阻害型抗体活性は認められず、ヨード摂取低下の原因は甲状腺自体にあると考えられた。結論:BB/Wラットには、未だ機序不明なヨード代謝異常が存在し、リンパ球性甲状腺炎の病因の1つと推察され、貴重な成績と考えられた。今後、こらに詳細な検討をすすめる必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Yanagisawa,;Y.Hara,;J.Ishii,;et al.: Endocrinol.Japon.33. 851-861 (1986)

  • [文献書誌] 原義人,石井淳 他: 糖尿病動物. 1. 67-71 (1987)

  • [文献書誌] Y.Hara,;J.Ishii,;et al.: In Recent progress in thyroidology. Proceedings of the 3rd Asia and Oceania Thyroid Association Meeting. 239-243 (1987)

  • [文献書誌] Y.Hara,;Y.Kawakami,;J.Ishii,;et al.: In The Thyroid 1988. Proceedings of International Thyreid Symposium.149-152 (1988)

  • [文献書誌] 原義人,柳沢守文,石井淳 他: ホルモンと臨床. 35(秋季増刊号). 19-27 (1987)

  • [文献書誌] S.Miura,;Y.hara,;J.Ishii,;et al.: BB/W rat.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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