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1986 年度 実績報告書

ヒト白血病細胞の無蛋白培養による白血病細胞自己増殖因子の分離と分子構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61480255
研究機関東京大学

研究代表者

岡部 哲郎  東大, 医学部, 助手 (80169135)

キーワードAutocrine growth factor / Leukemia / Ubiquitin / Protein-free culture
研究概要

(諸言)我々はヒト悪性腫瘍の増殖機構の解明を目的とし、種々のヒト由来癌細胞の無血清無蛋白培養株を樹立してきた。今回は、そのうちヒト白血病細胞株K-562T1が産生する細胞増殖因子の分離及び構造と機能について報告する。(方法)無血清無蛋白培地にて増殖するK-562株を大量培養し、この培養上清を細胞増殖因子分離の材料とした。培養上清は、Hollow Fiberにて濃縮し、2種の異なった作用をもつ細胞増殖因子を分離した。これらの増殖因子は、ヒト白血病細胞株及び線維芽細胞に対する増殖促進作用により評価した。(結果)K-562T1細胞の培養上清中には少くとも2種の異なる細胞増殖因子が存在することが確認された。一つは白血病細胞の増殖を促進するが線維芽細胞には作用しない因子でLeukemid-derivedgrowth factor-1(LGF-1)と名づけた。他方は逆に線維芽細胞の増殖を促進するが、白血病細胞の増殖には無効な因子でLGF-【II】、と命名した。LGF-【I】は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、およびFPLCにより精製され、SDS電気泳動で単一のバンドとして純化され、分子量は約20,000と推定された。LGF-1のアミノ酸配列は既知の細胞増殖因子や発癌遺伝子の産物とのhomologyは認められず、新規な細胞増殖因子と考えられた。一方LGF-【II】は、部分純化され、熱及び酸に安定な蛋白で、ジチオストレトールにより失活することより、分子内disulfide bondが活性発現に必要であると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tetsuro Okabe: Cancer Research. 46. 1043-1046 (1986)

  • [文献書誌] T.Okabe: J.Cell Biol.(103(5). 442 (1986)

  • [文献書誌] A.Mihara,: In Vitro. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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