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1986 年度 実績報告書

自己白血病・リンパ腫細胞を障害するIL-2活性化リンパ球:臨床応用上の問題点

研究課題

研究課題/領域番号 61480262
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

押味 和夫  東京女医大, 医学部, 講師 (40089991)

キーワードインターロイキン2 / LAK細胞 / 白血病 / リンパ腫 / 染色体異常
研究概要

1.Lymphokine-activated killer(LAK)細胞の誘導について。
正常ドナーおよび患者末梢血単核細胞をインターロイキン2(IL-2)2,500U/mlで5日間培養すると強いLAK活性が示され、90%以上の症例で自己の白血病またはリンパ腫細胞に対する障害が認められた。しかし培養期間が長くなるにつれてLAK活性は低下した。
2.IL-2で増殖した細胞の表面マーカーについて。
IL-2で2〜4週間培養した細胞の60〜80%はTリンパ球,20〜40%は、natural killer(NK)細胞であった。2重蛍光染色を行うと、CD【3^+】細胞の多くはCD【8^+】で、Leu-【15^+】細胞が多数を占めていたことから、このCD【3^+】【4^-】【8^+】【11^+】細胞がサプレッサー能を有している可能性が示唆された。サプレッサ一能の有無に関しては現在検討中である。たまたま、増殖している細胞の中で、CD【3^+】【4^-】【8^-】分画の細胞が多くを占める正常例を見出し、同様の実験を計10名の正常者で試みたところ、2名でCD【3^+】【4^-】【8^-】細胞の増殖を認めた。
3.染色体異常について
IL-2で2〜4週間培養したリンパ球の染色体異常の有無を調べたところ、11人中1人で単クローン性の異常を認めた。残りの5人で認められた異常はartifactの可能性も否定出来ない。
4.LAK細胞による正常細胞の障害作用について。
5日間培養した後収穫したLAK細胞に、自己末梢血正常単核細胞障害作用を認めた。このキラー活性のエフェクターはNK細胞ではなくキラーT細胞であり、標的細胞としてはB細胞と単球がT細胞NK細胞よりも感受性が高いことを見出した。
以上の点は、LAK細胞の臨床応用が十分慎重に進められねばならないことを強く示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 武井弥生 他: 医学のあゆみ. 134. 1095-1096 (1985)

  • [文献書誌] 阿久津美百生 他: 医学のあゆみ. 134. 1181-1182 (1985)

  • [文献書誌] 押味和夫 他: Blood. 68. 938-948 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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