研究概要 |
1.Lymphokine-activated Killer(LAK)細胞の誘導について. 正常ドナーおよび患者末梢血単核細胞をインターロイキン2(IL-2)2,500U/mlで5日間培養すると強いLAK活性が誘導され, 90%以上の症例で自己の白血病細胞や悪性リンパ腫細胞に対する障害が認められた. しかし培養期間が長くなるにつれてLAK活性は低下した. 2.LAK細胞による正常細胞の障害作用について. 5日間培養した後収穫したLAK細胞に自己末梢血正常単核細胞障害作用を認めた. Bリンパ球と単球がTリンパ球やlarge granular lymphocyteよりもLAK感受性が高く, 非刺激細胞よりも芽球の方が感受性が高い. 3.CFU-GMコロニー形成の抑制. IL-2で3日間培養したリンパ球には顆粒状/マイクロファージのコロニー形成を抑制する働きがある. 4.抗体産生能に及ぼすIL-2活性化リンパ球の作用. pokeweed mitogenによる抗体産生系にIL-2で活性化したリンパ球を添加すると, 少なくとも半数以上のドナーで抗体産生の抑制をみる. この実験は現在進行中ではあるが, サプレッサー能の誘導がIL-2で起こる可能性を示唆している. 5.染色体異常について. IL-2で2〜4週間培養したリンパ球の染色体を調べた所, 11人中1人で単クローン性の異常を認めた. 以上の研究成果は, LAK細胞の臨床応用が十分慎重に進められねばならないことを強く示唆している.
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