研究課題/領域番号 |
61480264
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 淳彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (50092979)
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研究分担者 |
白川 元昭 東京大学, 医学部(病), 助手 (20211295)
高山 豊 東京大学, 医学部(病), 助手 (80250223)
宮田 哲郎 東京大学, 医学部(病), 医員 (70190791)
佐藤 紀 東京大学, 医学部(病), 助手 (40170724)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / コラーゲン / 組織培養 / 小口径代用血管 / ハイブリッド代用血管 / 血管外科 / 血行再建手術 |
研究概要 |
本研究の目的は、培養血管平滑筋細胞と精製コラーゲンとを混和して生体血管類似の管状構造物を作成し、小口径代用血管としての可能性を追究するものである。研究方法は実験動物としてイヌを用い、まずこの動脈または静脈から酵素法によって血管平滑筋細胞を採取し、組織培養技術を用いて細胞数をふやす。十分量の細胞数が得られたところで、ガラス試験管内において細胞浮遊液と精製コラーゲンとを混和すると、中心に固定した小口径ガラス棒の周囲に平滑筋細胞ーコラーゲン管が付着形成され血管モデルが得られる。これを実験動物の動脈ないし静脈に移植することにより小口径代用血管としての耐久性、開存性、生体適応合性を検討する予定であった。研究実績としては、血管平滑筋細胞ならびに血管内皮細胞の初代培養の確立ならびに継代培養の維持、これら血管壁構成細胞の合成素材への付着性に関するコラーゲン被覆および非被覆の影響、平滑筋細胞ーコラーゲン管の試験的作成、血管平滑筋細胞と血管内皮細胞との混合培養による内皮化の促進と組織学的所見、血管内皮細胞撒布合成素材(ハイブリッド人工血管)の移植実験による抗血栓性の検討、生体染色を用いたハイブリッド人工血管の内皮化の直接的評価などであった。本研究による血管類似管状構造物の恒常的作成には、血管平滑筋細胞の大量培養の必要性、管状構造形成に至る培養条件の検討、生体血圧に耐える強度を付加するための外周補強などの問題点がある。以上の研究成果から、今後の問題として、血管平滑筋細胞および血管内皮細胞の培養を応用したハイブリッド人工血管の開発研究、コラーゲン以外の結合蛋白質をくみこんだハイブリッド材料の開発、血管壁構成細胞の生着性のよい組織適合性に富む合成素材の開発、血管平滑筋細胞自体の抗血栓性に関する基礎的検討などの課題について多分野からの学際的研究が必要であるとの結論を得た。
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