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1988 年度 実績報告書

小児悪性腫瘍に対する新化学療法剤の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480265
研究機関東京大学

研究代表者

中條 俊夫  東京大学, 医学部(病), 教授 (70050367)

研究分担者 岩中 督  東京大学, 医学部(病), 助手 (90193755)
河原崎 秀雄  東京大学, 医学部(病), 講師 (60115475)
牧野 駿一  自治医科大学, 医学部, 助教授 (30157169)
橋都 浩平  東京大学, 医学部(病), 助教授 (50180815)
キーワード小児悪性固形腫瘍 / 化学療法 / ヌードマウス継代移植腫瘍 / 抗癌剤感受性試験 / 他剤抵抗性腫瘍 / イフォスファマイド / 神経芽腫 / 悪性間葉腫
研究概要

現在なお難治性である小児腫瘍として、神経芽腫(病気III,IVA,IVB) 、ウイルムス腫瘍(Rhabdoed type)、肝芽腫、悪性間葉腫などがある。これらに対しては、臨床上新しい薬剤や新しいプロトコールを開発しなければならない。我々われわれは患児から腫瘍を切除し、これをヌードマウスに継代移植し、これを用いて多種の抗癌剤に対する腫瘍の感受性試験を行ない、その結果を臨床に反映させてきた。また従来、小児癌に使用されていなかった抗癌剤についても、ヌードマウス継代移植腫瘍を用いた基礎的研究、および他剤に抵抗性を示す小児悪性固形腫瘍に対する臨床的研究を行ない、以下の結果を得た。
Ifosfamide(IFX)を進行癌6症例に用い、CR2例(卵黄壌癌、バーキット腫瘍)、PRI例(神経芽腫)、NCI例(横紋筋肉腫)、PD2例(骨肉腫、神経芽腫)との結果を得た。Mitoxantnonを他剤抵抗性の進行性神経芽腫に用い、一時的ながらNSE、フェリチンの低下を認めた。これらの薬剤は他剤抵抗性小児癌に使用する価値があろう。
ヌードマウス継代移植が得られ、最も悪性度の高いTNB9神経芽腫株を用い抗癌剤感受性を検定した所、MMC、IFX、カルボプラチンは著効、BLM、MTXは有効、VP-16、5FUは無効であった。Rhabdoid型ウイルム腫瘍では、IFX、MMCは著効、CPM、CDDP,VP-16は有効、DTICは無効であった。肝芽腫では、MMCは著効、カルボプラチン、VP-16、BLMは有効、IFX、CPM、MTXは無効であった。悪性間葉腫では、CDDP、CPMは著効、VCRは有効、AMD、ADR、DTIC、MTXは無効であった。
ヌードマウスを用いて抗癌剤感受性試験は有効ではあるが、本試験で有効な抗癌剤が臨床的には必ずしも有効とは言えず、基礎と臨床とのギャップを埋める研究を進める必要を感じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 橋都浩平 他: オンコロジア. 20. 85-91 (1987)

  • [文献書誌] 土田嘉昭 他: 小児外科. 18. 891-900 (1986)

  • [文献書誌] 牧野駿一 他: Medical and Pediatric Oncalogy. 14. 36-40 (1986)

  • [文献書誌] 牧野駿一: 医学のあゆみ. 145. 858-860 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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