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1986 年度 実績報告書

温阻血肝を用いる同所性肝移植の研究-特に抗酸化剤の効果について-

研究課題

研究課題/領域番号 61480269
研究機関広島大学

研究代表者

土肥 雪彦  広島大, 医学部, 教授 (90034024)

研究分担者 浅原 利正  広島大学, 医学部, 助手 (70175850)
福田 康彦  広島大学, 医学部附属病院, 講師 (40093801)
キーワードラット肝移植 / ラット肝移植手技 / ラット移植肝組織酸素飽和度 / ラット移植肝viabilityの判定 / ラット移植肝胆汁流量 / ラット移植肝ATP / ラット移植肝水分含量%;
研究概要

1.ラット同所性肝移植手技の確立
鎌田の方法に準じたラット同所性肝移植手技を確立した。肝上部下大静脈は7-0ナイロン糸による手縫い法を用いるが、門脈と肝下部下大静脈はポリエチレン製のカフを用いた。これにより手術時間の短縮と出血量の減少が可能となり、平均80%の一週間生存率を得るに至った。
従来、門脈遮断時間を20分以内とすることが長期生存の必須条件とされてきたが、我々はパンオキシメーターを用いて容易に測定できる組織酸素飽和度がより正確な長期生存の示標となること見出した。即ち、肝移植における血流再開後、移植肝の酸素飽和度が70%以上であれば、門脈遮断時間にかかわらず90%が1週間以上生存した。逆に70%以下の低値の場合は全例24時間以内に死亡した。
2.ラット移植肝のViabilityの評価
ラット同所性肝移植において、移植前後経時的に胆汁流量、アデニンヌクレオチド(ATP)、%water contentを測定した。無温阻血群の一週間生存率は87%であるが、その胆汁流量は血流再開後2時間で正常値まで回復し、ATPも4時間で80%に戻った。%water contentは血流再開4時間で著明な改善がみられた。これに対し、30分温阻血群では一週間生存した例は皆無であり、これらの血流再開後の胆汁流量、ATP、%water contentの回復は極めて不良であった。以上の結果は胆汁流量、ATP、%water contentのいづれもが移植肝のviability判定に有要なること示す。移植肝に侵襲がなく容易に測定可能な胆汁流量が中でも実際的な指標と考えられる。
次年度はこれらの実績を背景に温阻血障害の予防に関する実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 住元一夫: 広島大学医学雑誌. 33. 389-393 (1985)

  • [文献書誌] K.Sumimoto: Transplantation Proceedings. 19. 1098-1102 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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