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1988 年度 実績報告書

温阻血肝を用いる同所性肝移植の研究ー特に抗酸化剤の効果についてー

研究課題

研究課題/領域番号 61480269
研究機関広島大学

研究代表者

土肥 雪彦  広島大学, 医学部, 教授 (90034024)

研究分担者 浅原 利正  広島大学, 医学部, 助手 (70175850)
福田 康彦  広島大学, 医学部, 講師 (40093801)
キーワード同所性肝移植 / 抗酸化物質 / フリーラジカル / 脂質過酸化現象 / 肝保存 / 肝虚血 / 血流再開細胞障害
研究概要

昨年ラット同所性肝移植実験を用いて抗酸化剤であるCoenzyme Q_<10>(CoQ_<10>)が温阻血を加えた肝移植生着に有効であることを報告してきた。また肝細胞障害が移植血流再開過程で増加する過酸化脂質による生体膜障害に起因すること、前投与CoQ_<10>はその抗酸化作用により生体膜過酸化脂質生成を正常レベルに抑制することが判明した。
今回移植血流再開における細胞障害にfree radicalsが開与していることを更に支持するために肝組織中の内在性抗酸化物質であるCoenzymQ同族体およびVit.Eの変化を調べた。CoQ_<10>、Vit.Eの変動は、移植前新鮮肝、30分温阻血肝共にtotal CoQ_<10>は減少しなかったが移植血流再開後還元型CoQ_<10>は有意に減少した。CoQ_<10>投与群では肝組織CoQ_<10>は多照群の約6倍に増加し、約70%が還元型に変換された。移植血流再開4時間で酸化型CoQ_<10>の増加と還元型CoQ_<10>の減少傾向が認められた。移植直前と移植後4時間の酸化型、還元型のCoQ_9の変化は、移植直前では3群ともにCoQ_9は主に置元型に転換しておりtotal量に有意の差を示していない、ところが血流再開後、対照群(30分温阻血肝移植群)では還元型の著明な減少並びに、total量の減少が認められた。すなわちCoQ_<10>投与は、新鮮肝移植群と同レベルまで有意にその減少を防いでいるものと考えられた。従ってCoQ_<10>投与は内在性CoQ_9の減少を阻止していることになる。内在性Vit.Eの変動は保存後および移植血流再開後の減少傾向がみられ、CoQ_<10>投与によりその減少が抑制された。しかし、有意の差ではなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sumimoto,K.;Inagaki,K.;Marubayashi,S.;Kawasaki,T.;Dohi,K.: Transplantation Proceedings. 20. 958-960 (1988)

  • [文献書誌] Sumimoto,K.;Inagaki,K.;Yamada,K.;Kawasaki,T.;Dohi,K.: Transplantation. 46. 506-509 (1988)

  • [文献書誌] Sumimoto,K.;Dohi,K.;Ikada,Y.;Fukuda,Y.;Tsuchiya,T.: Transplantation. 44. 318-321 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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