研究課題/領域番号 |
61480272
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松田 道生 自治医大, 医学部, 教授 (50048980)
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研究分担者 |
諸井 将明 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00049074)
照喜名 重治 自治医科大学, 医学部, 講師 (80146159)
坂田 洋一 自治医科大学, 医学部, 講師 (40129028)
吉田 信彦 自治医科大学, 医学部, 講師 (10049083)
村山 英樹 自治医科大学, 医学部, 講師 (70146166)
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キーワード | 血栓塞栓性疾患 / 深部静脈血栓症 / アンチトロンビン【III】 / アンチトロンビン【III】欠損症 / プロテインC / プロテインC欠損症 / プロテインC分子異常症 / 分子異常症 |
研究概要 |
1.外科的血栓症および凝血異常検体の探索:新たにアンチトロンビン【III】(AT【III】)欠乏症4例,プロテインC欠乏症1例,フィブリノゲン異常症4例を見出した。 2.従前より分析してきた凝固制御異常症の分析:(1)AT【III】異常検体の分析:精製分画の分析から立体構造の異常とこれによる機能障害を確認した(発表論文参照)。(2)プロテインC(PC)の欠損と分子異常合併症の分析:PCに対するモノクロナル抗体(MCA)および本研究費補助金で購入したFPLCを駆使して、500mlの血漿から60μgのPCを分離した収率30%)。その分析から分子量、2本鎖構造は正常ながら、トロンビンによる活性化ペプチドの切断放出が欠落すること、このため酵素活性が発現しないことを確認した。家系調査から、欠損症を父、分子異常症を母から遺伝されていることが判明し、当該異常分子の構造ならびに遺伝子解析を進めている。(3)フィブリノゲン分子異常の分析:フィブリノペプチドAの放出を欠く2つの異常分子およびフィブリン重合障害をもつ4つの異常分子でアルギニン→システインの遺伝的変異を同定した。前者ではトロンビン水解部位(発表論文参照)、後者では重合反応基に関与する部位のアミノ酸置換で、とくに後者は未だ報告をみないものであり、報告予定である。 3.凝固線溶物質に対するMCAの作成:PCの【Ca^(++)】依存性構造、その短鎖ならびに長鎖、また、AT【III】・トロンビン複合体,プラスミノゲンの活性中心の立体構造等を認識する種々のMCAが得られ、その性状を分析中である。 4.ヒト臍帯静脈内膜細胞およびヒト肝癌細胞を培養し、これらにより分泌される諸物質の同定ならびに、これらの細胞表面で進行する諸反応をMCAの応用を含む種々の方法で検討している。以上、1〜4の成績の一部を国際血栓止血学会に8演題、報告予定である。
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