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1986 年度 実績報告書

根治的広範肝切除のためのミトコンドリアからみた術前術後の統一的な治療対策の確立

研究課題

研究課題/領域番号 61480282
研究機関京都大学

研究代表者

小澤 和恵  京大, 医学部, 教授 (00026858)

研究分担者 森 敬一郎  京都大学, 医学部, 助手 (80159186)
上山 泰男  京都大学, 医学部, 講師 (90127069)
山岡 義生  京都大学, 医学部, 講師 (90089102)
キーワード血中ケトン体比 / 肝ミトコンドリア / チトクロムa / 肝切除
研究概要

2年間の188例の肝切除例のうち60例に、redox tolerance testを肝切除術前に施行し、術後の血中ケトン体比(アセト酢酸/3-ヒドロキシ酪酸;KBR)の推移と予後と比較を行った。75gr糖負荷試験(OGTT)を施行し、120分のKBR,血糖,Insulinの増加量をΔKBR,ΔBS,ΔIRIとし(ΔKBR/ΔBS)×IRIをredox tolerance index(RTI)とした。RTI1.0以上の症例は術後KBRが0.7以上を維持し予後良好であった。RTI0.5-1.0の症例は術後KBRは0.4-0.7を推移し管理に注意を要した。RTI0.5以下の症例は術後KBRは0.4以下を示し予後不良であった。以上の結果から術前RTIと術後KBRの推移とは有意に相関を示した。
肝切除術中、KBRを経時的に測定を行った所、従来おこなわれていた肝脱転など手術操作そのものでKBRが0.4を下回る事も判明した。
30例の肝切除例の肝cytochrome a量を今回購入した島津2波長分光光度計UV3000型用いて測定したが、従来発表してきた所見と一致した。更に、微量肝生検試料による迅速測定の研究を行った。理論的にはcytochrome a量とcytochrome a活性は相関するので、cytochrome aの測定を、針生検で得られる10mgの試料を低張リン酸緩衝液で処理しそのホモジェネートの還元型cytochrome cの酸化速度を本機を用いて測定する事が可能となり、現在臨床例に応用中である。
従来からの方法でKBRの値に準じたmetabolic intensive careを行ってきたが、術前にはredox tolerance testで肝予備能を的確に評価し、術中にはKBRを低下させない操作管理を行い、術後は従来のごとく基質の選択を主としたmetabolic intensive careを行うことにより、更に機能的にも、手術的にも拡大手術が可能となる事が期待出来る様になった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Atsuhiko Maki: Gastroenterology.

  • [文献書誌] Yoshio Yamaoka: Surg.Gynecol.Obstet.

  • [文献書誌] Masashi Noguchi: Eur.Surg.Res.

  • [文献書誌] Akira Tanaka: Eur.Surg.Res.

  • [文献書誌] Akira Tanaka: Life Sci.

  • [文献書誌] Taisuke Movimoto: J.Lab.Clin.Med.107. 194-198 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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