研究課題/領域番号 |
61480289
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
宮本 英雄 聖マ医大, 医学部, 助手 (50182051)
|
研究分担者 |
沢岡 昭 東京工業大学, 工学部, 教授 (40029468)
牛込 新一郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70081643)
後町 浩二 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30139654)
|
キーワード | 電気水中衝撃波 / シュリーレン写真 |
研究概要 |
電気水中衝撃波発生装置を用いて水中にて放電を行い、シェリーレン写真装置にて衝撃波を映像化し、衝撃波の種々の物体および組織に対する影響を視覚的な点から検討した。水中においての何の障害物もない時には、衝撃波は四方へ均等に広がる。又、衝撃波が硬い金属平面に当たった場合には全反射するが、水より密度の低い気泡を通過する際には、そこを中心として膨張波が広がるのが観察された。 摘出したラットの臓器を用いた実験では、骨では衝撃波は主として反射し肝臓では主として通過することが判明した。又、空気を含む肺では膨張波が著明に出現することが確認され、空気を多く含む臓器での衝撃波による副損傷の可能性が示唆された。 生存状態の成犬肝臓を用いた組織損傷の検討では、電極の前方向への組織損傷は後方および側方の組織損傷よりも広範囲に及んでおり、実質臓器の組織損傷には一定の方向性があることが判明した。しかし、この方向性の存在はシュリーレン写真での検討結果から得られた衝撃波が四方に均等に伝播するという性質と反することである。 これらよりこの水中放電電極を用いた組織損傷を理解するためには、シュリーレン写真のみによる検討では不十分で、純粋な衝撃波圧力と組織損傷との関係を検討する必要性が生じて来た。なお放電時の電極周囲の温度測定を試みたが放電時間が極めて短いために温度を実測することは不可能であった。以上の実験結果から、臨床的に結石破壊を行う時には、組織に対する損傷度の方向性を認織し、周囲組織との距離を充分保つことが組織の副損傷を防ぐために必要であり、又、結石に対しては、この方向性を利用し電極先端を結石に接した状態で用いることがより効果的であると考えられた。
|