補助人工心臓(LVAD)とIABP併用時の腎循環動態の研究として成犬を用いて腎血流量、腎皮質髄質血流測定を行っている。LVAD、IABPの駆動法としては従来のLVAD(Internal固定レートモード)とIABPの心拍拡張期同期、さらに不全心拡張期を2分して前半にLVAD、後半にIABPを駆動させる。"拡張期の2分法(Bisected Diastolic Drive)"のの種類のモードにて比較検討した。腎血流量は前値に比して減少がみられるもののInternalモードよりは有意に軽度であり、総拍出量に対する腎血流分画の減少も軽く拡張期の2分法駆動では腎血流量への影響は少なく、LOSなどの際に腎不全予防として有効と考えられる。この間、臨床例でも2分法駆動時には腎機能の著しい改善が得られている。現在、さらに胃内血流分布の測定を行っており、IABP併用時の脈圧の腎への影響を検討しなければならない。また、循環シュミレータを用いて連動時相の至適設定も研究しておりパソコンを用いてノモグラム作製を研究中である。現在までの研究成果は昨秋の人工臓器学会に発表しており、更に今春の米国人工臓器学会(ASAIO)に発表する。 他方 LVAD離脱基準の設定に関しては不全心作製犬を用いて、中心大動脈圧波形の解析と同時にUCG断層法を用いて圧心機能を測定し比較検討中である。現在、測定data集計中であり、これらを用いて次年度にアナログ回路を設計し、左心機能曲線描写の自動化を行ない離脱判定を行なう。また、LVADの脱血・送血カニューレ内への圧センサー内臓をも合わせ行ない、モニター回路の単純化と同時に圧波形の精度向上も検討中である。
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