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1986 年度 実績報告書

脳虚血による脳損傷の可逆性に関する脳代謝の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480309
研究機関京都大学

研究代表者

滝 和郎  京都大学, 医学部, 助手 (70144368)

キーワードCerebral blood flow / Oxygen consumption / cerebral ischemia / moyamoya disease / PET
研究概要

実験)ラットを用いた脳虚血においては、脳血流が低下すると遊離脂肪酸が蓄積してくるがこれらの中で、特に多価不飽和の脂肪酸の蓄積が著明になることが明らかとなった。一方、その供与体である生体膜リン脂質に於ては、PC(ホスファチジルコリン),PE(ホスファチジルエタノールアミン)共に時間的に減少するが、両者間でその崩壊様式は異なっておりPEではより早期に劇的な崩壊がみとめられた。またPC,PE間においても、これらを構成する分子種は、虚血に対し異なった感受性を有していることが判明した。脂肪酸分析の面から虚血時間と共に、各脂肪酸の形式が変化し、これらに関与する酵素系が若干異なっているものと推定された。一方、細胞の構造蛋白質の虚血による分解をモノクロナール抗体を用いて検討しているが、【Ca^(2+)】依存性の酵素によるニューロフィラメント等の特異的な分解のおこることが判明してきた。細胞が膜構造の面からも、骨格,機能を司る蛋白質の面からも虚血侵譲に対して、致分〜30分くらいの早期に変化をうけることが判明してきた。次にこれら細胞の恒常性を保つ上でミトコンドリアの呼吸能は重要な役割をになっているが虚血30分〜60分で状態3,状態4の呼吸に変化をみとめ、現在、ミトコンドリア膜の崩壊の程度との関連性を追求している。
臨床)脳虚血に対するバイパス手術の適応について論議の多いところであるが、バイパス手術の対象となるモヤモヤ病の脳循環・代謝についてポジトロンCT(PET)を用いて研究し、モヤモヤ病では脳血液量の上昇、脳血流量と脳血液量の比が低下していることを明らかにし、脳灌流圧の著明な低下を示唆する強力な根拠が得られた。このことはモヤモヤ病虚血型でのバイパス術の適応を可とする根拠の一つとなりえると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Goto Y;Okamoto S;Yonekawa Y;Taki W;Kikuchi H;Handa H;Kito M: submitted for publication for Stroke.

  • [文献書誌] Niijma KH;Yonekawa Y;Taki W;Handa H;Ikada Y: Third international Nd:YAG laser Symposium. 370-375 (1987)

  • [文献書誌] 滝和郎,小林映,石川正臣 ら: Submitted for publication 脳神経外科.

  • [文献書誌] 新島京,半田肇,米川泰弘,滝和郎 ら: 脳神経外科. 14. 331-337 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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