研究課題/領域番号 |
61480311
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森 和夫 長崎大, 医学部, 教授 (50025540)
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研究分担者 |
三宅 仁志 長崎大学, 医学部, 助手 (30175616)
上之郷 真木雄 長崎大学, 医学部, 助手 (40145256)
馬場 啓至 長崎大学, 医学部, 助手 (20133176)
河野 輝昭 長崎大学, 医学部, 講師 (70112373)
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キーワード | 実験てんかん / 尾状核 / GABA / 5-HT / 低頻度持続刺激 / ペニシリン焦点 / 難治てんかん / feedback刺激 |
研究概要 |
1.Flaxedilで非動化したWistar ratの運動野(4野、6野)を刺激し、同側尾状核の所々で受けた誘発電位は、尾状核外腹側で最も大きい。この誘発電位で確めた尾状核部にmuscimol(GABA agonist)を微量注入し、運動野に8〜9Hzの持続刺激(小野らによる低頻度持続刺激=LFCS)を加え、LFCSによる焦点発作の形成を検討すると、muscimolの注入量依存性に発作波形成過程が抑制された。 2.同じくWistar ratで、4野あるいは6野にLFCSを行い、同側の黒質にmuscimolを微量注入すると、皮質焦点性発作の進展が有意に促進されたが、自己維持性全身けいれんの持続には影響がなかった。また、この促進効果はhaloperidolで前処置をしても全く影響を受けないので、黒質一線条体のdopamine系を介するものではないと考える。 3.線条体(尾状核)-黒質回路、黒質-(VA核VL核)回路は、2つの連続する抑制性投射(おそらくGABA性)からなることが明らかにされており、尾状核へのmuscimol投与は、黒質-視床回路による視床-皮質回路の抑制を抑制するため皮質焦点発作の進展を促進するとの作業仮説を作成した。 4.一方、ネコの運動野にPenicillin焦点をつくり、その脳波上のspikeにより同側尾状核のfeedback stimulationを行うと、焦点部でspikeの出現が有意に抑制される。焦点が成熟し自己維持性発作波が出現する時期になると、尾核刺激による抑制効果はみられなくなる。また、あらかじめPCPA腹腔内注により脳5-HTを枯渇させておくと、尾状核刺激による抑制効果は消失し、5-HTを脳室内に注入後、抑制効果の再現がみられた。 5.次年度には、6-OHDAを用い、尾状核のdopamineを枯渇させた動物を作成し、皮質運動野焦点に対する尾状核外腹側のfeedback stimulationの効果の有無を検討する予定である。
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