研究課題/領域番号 |
61480311
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森 和夫 長崎大学, 医学部, 教授 (50025540)
|
研究分担者 |
上之郷 真木雄 長崎大学, 医学部, 助手 (40145256)
石坂 博昭 長崎大学, 医学部, 助手 (60136679)
小野 憲爾 長崎大学, 医学部, 助教授 (60112372)
馬場 啓至 長崎大学, 医学部, 助手 (20133176)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
キーワード | 難治性てんかん / 皮質運動領焦点 / 尾状核 / 尾状核刺激 / Motor cortex |
研究概要 |
運動領皮質焦点性てんかんにおける尾状核の役割について、臨床例および動物実験の面より検討を加えた。臨床例では慢性刺激電極による尾状核刺激を試みる予定であったが、研究期間中に適切な症例がなく、検討できなかった。 ラット前運動領(area6)の低頻度刺激(low frequenoy cortical stimulation,LFCS)てんかんモデルでは、焦点部刺激により尾状核で記録される誘発電位が最大となる部位の破壊およびGABA agonist,muscimolの注入により、各発作段階でのLFCS閾値の上昇が認められたほか、同部位刺激によるkindlingてんかんモデルにおいても、焦点側尾状核の破壊によりKindlingの形成が有意に遅延した。また、ネコ運動領皮質へのpenicillin塗付による急性てんかんモデルでは、焦点部での棘波をトリガ-とした同側尾状核の低頻度(10Hz)feedback刺激は焦点部棘波の発現頻度を有意に抑制したが、被殻刺激は無効であった。また、尾状核の低および高頻度刺激ともに発作発現時には無効であった。 前者の抑制機序として尾状核-黒質-視床を介するGABAergicな二重抑制神経機構の障害を示唆する所見であり、一方、後者は尾状核-視床を経由する抑制機構の強化によるものと考えられた。以上のことは、発作の種々の段階において尾状核の機能が動的に変化してゆくことを示しているものと推察された。このことを検討するために、ラットLFCSモデルにおいて発作の種々の段階において、慢性的に焦点側尾状核に刺入したmicrodialysis tubeの灌流液を採取し、尾状核細胞外ド-パミンおよびその代謝産物、各種脳内アミノ酸濃度の変動を測定したが、まだ一定した結論は得られていない。
|