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1987 年度 実績報告書

医原性難治性腰部癒着制脊髄膜炎の病態,疼痛発生機序ならびに予防と治療

研究課題

研究課題/領域番号 61480317
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

辻 陽雄  富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (90009449)

研究分担者 高野 治雄  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40135017)
山田 均  富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80115196)
伊藤 達雄  富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (50111422)
キーワード腰部癒着性脊髄膜炎 / 馬尾絞扼 / 脊髄液 / カテコラミン / セロトニン / 高速液体クロマト
研究概要

腰部癒着性脊髄膜炎(LAA)15例,腰部脊柱管狭窄症(SCS)35例,椎間板障害(DL)39例およびミエロパチー(MP)30例,計119例の脊髄液におけるCathecholamin系代謝物質およびセロトニン系代謝物質を高速液体クロストグラフィーにより分析した. その結果,新たな知見を得た.
1.Cathecholamin系:チロシン(TYR)はLAAおよびSCSにおいて有意増量(P〈.05)を呈し, 同時にノルエピネフリン(NE)およびエピネフリン(E)も有意高値(P〈.05)を示す. 一方ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)およびその代謝産物であるホモバニリン酸(HVA)もまた有意水準でLAAに増量する. しかしこれら代謝過程での産物であるLーDOPA,DAおよびMHPGには変化が認められないことからチロシン代謝過程におれる次ぎの酵素の活性化が, LAAあるいはSCSに生じているとみられる. すなわた, フェニルアラニンヒドロキラーゼ(PH),ドーパシンβヒドロキシラーゼ(DBH),アルデヒドオキシダーゼ(AO),PNMTおよびCOMT等がこれである. これら諸酸素の活性化はLAAに必ずしも特異的とは言えないが, DBH,AO,COMTの酵素活性はLAA症例に特に顕著である.
2.セロトニン系:Lトリプトファン(TRY),セロトニン(5HT)および5ヒドロキイテンドールアセトアルデヒド(5ーHIAA)につき測定した結果,LAA症例において結果的に5ーHIAAの増加が認められ, セロトニンに対するモノアミンオキシダーゼの著しい活性化が示唆された. 以上の諸知見は馬尾部障害における局所代謝変化の存在を証明した新知見とみられ, かつ高位脊髄障害(MP)には殆んど認められないことから, 胸腰髄および馬尾における広義の絞扼性炎症過程に続発とた変化と推測される. そしてLAAにおいては症状の程度とNEおよびHVAが相関性がある可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 辻陽雄;山田均;高野治雄ほか: 日本整形外科学会雑誌. 61. 983 (1987)

  • [文献書誌] Tsuji,H.;Itoh,T.;Yamada,H.;Takano,H.: Spine.(in preparation,1989 will be published.).

  • [文献書誌] Tsuji,H.;Yamada,H.;Hirano,N.;Yamamoto,N.: J.of Orthopaedic Research(in preparation,1989 will be published.).

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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