研究課題/領域番号 |
61480317
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
辻 陽雄 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (90009449)
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研究分担者 |
高野 治雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40135017)
山田 均 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80115196)
伊藤 達雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (50111422)
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キーワード | 癒着性脊髄膜炎 / 脊髄液 / 生理活性物質 / 組織培養 / 脊柱管制動拡大術 / スーパーオキサイド |
研究概要 |
最終年度は以下の三系列について研究を展開した。すなわち、1)本助成により購入したHPLCによる定型的癒着性脊髄膜炎13例を含む191名の腰部、頚部疾患から得た脊髄液の生理活性物質の分析を行った。本研究はカテコラミン系およびセロトニン系代謝物質の定量を中心に実施したが、常に正確を期する意味で、測定法の改良と精度向上につとめた結果、前回の知見を修正すべきことが判明した。今回の測定した物質は1-DOPA、Dopamine、3-MT、DOPAC、HVA、A、MHPG、Tryptophane、5-HT、および5HIAAである。 これら物質は穿刺高位によって、差があることを統計的に明らかにするとともに、腰椎穿刺により採取したものを各疾患分類別にコンピューター解析を行った結果、少くとも本疾患では3-MTおよびDOPACが有意に高値を示していることが判明した。しかし、3-MT、DOPACおよびHVAはC1/2高位穿刺髄液に、より高値を示す傾向のあることから、これらDopamine代謝産物は脳におけるDA代謝活性の上昇と深い関係があるとも推定され、臨床的にも単なる局所のみでは説明できない症状からみて極めて興味あるものと考えられた。2)クモ膜培養系における細胞の特異性、増殖因子の解析について、すでに増殖曲線およびDNA合成能、形態的特徴を捉え、カオリン喰作用、H_2O_2反応、インターロイキン等につき反応を検討中である。 3)本症の予防については引きつづいての研究知見を待って結論されるが、当面の治療法として、炎症を示す脊髄膜-脊椎相関の信頼すべき是正法として、独自のexpansive laminoplastyを開発し得た。これに関し、superoxidationのscavengerとしてのVE。VC、mannitolの応用を検討中である。
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