研究課題/領域番号 |
61480317
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
辻 陽雄 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (90009449)
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研究分担者 |
高野 治雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40135017)
山田 均 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80115196)
伊藤 達雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (50111422)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 癒着性脊髄膜炎 / ミエログラフィー / 医原性疾患 / 生理活性物質 / 脳脊髄液 / カテコラミン / セロトニン / 組織培養 |
研究概要 |
腰痛症候群の中に最も難治で、その原因、本態、疼痛発生機序さらに予防、治療法が確立していない腰部癒着性脊髄膜炎はすべての点において究明しなければならない重要なものである。本研究は3年間に亘り、当初の目的に向って研究を展開し、次の知見を得た。1)腰痛症候群の中に召める本症は12%と推定された。2)原因の殆んどは医原性と判断され、それは、Panthopague myelographyおよび腰椎後方手術と判断された。しかし極めて稀に特発性のものも存在する。軽度のものは高令期にみる変性腰部脊柱管狭窄症に合併する傾向がある。3)通常、多根性の障害を示し、特定の障害根を規定することは出来ない。時間的に変動する多彩なparesthesia、脱力を主徴とし、強いpain behaviorを示す傾向が強い。精神的背景が存在する。4)術中所見、ミエログラム所見からstage分類およびType分類を可能にした。5)疼痛発生機序に関し腰痛患者191例から接取した脳脊髄液のHPLCによる分析から、本症には少なくとも3ーMT、DOPACの異常高値を認めた。データーのコンピューターによる分析から、脳代謝の異常をも合併しうる可能性が示唆された。本研究途中で得られたNAの異常高値という結果は、再検討により否定的となった。6)本症にみるクモ膜の異常増殖機構の解明にクモ膜細胞培養系を樹立し、各種条件(異物、IL、炎症物質、Superoxide)との関連で目下検討中であり、その一部の知見は報告書に記した。7)本症の治療法としてMannitol、VE、VCを検討中であるが、外科的新治療法を確立し得た。8)本症に対する適確な予防法は見い出し得なかったが、完成された本症に対する外科的治療法としてexpansive laminoplastyを開発し、その意義と価値を明らかにした。
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