研究概要 |
サーモプラスチックフィルムの搬入が、受注生産の輸入品の関係上、遅れたため、当初計画時に予定した実験が若干の遅れを見せている。この間、我々は引き続き二重露光ホログラフィ干渉法を用い、その再生像から骨の変形を測定してきた。骨折作成前後の長管骨の長軸方向の荷重に対して生ずる変形を二重露光ホログラフィ干渉法を用いて観察した。プレートの変形はやはりプレート中央部を中心に発生していることが観察された。さらに、プレート上に変形の涌きだしを観察し学会において発表した。 また、正常骨および骨多孔症のある大腿骨骨頭への垂直荷重に対する変形違いの観察を行い、学会において発表したが、この時にも大腿骨頭頚部において干渉縞の涌きだしが観察された。 さらに、サーモプラスチックフィルムを設置している施設見学(福井大学,マツダ自動車,ミュンヘン大学)を行った。また、国際ホログラフィ学会で発表の際、各ホログラフィ施設の研究者より現状での問題点、実際の実験上の要点の助言が得られた。 変形を計測するにさいして、垂直荷重下では微妙な荷重ベクトルの違いにより骨の変形が予想以上に大きく異なる事が再生像より解った。この傾向は大荷重時にも起こっていると思われるためホログラフィに限らずあらゆる実験系の作成時に注意されねばならない。 実時間法についてはサーモプラスチックフィルムが本格的に稼働し次第、向後現在までの遅れを奪回する予定である。 プレート上や、大腿骨頚部に観察された干渉縞の涌きだしについては二重露光法では限界が有り、やはり実時間干渉法による経時的な観察が最も適していると思われた。
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