研究分担者 |
田中 宏明 産業医科大学, 医学部, 助手 (20188329)
三浦 直彦 産業医科大学, 医学部, 助手 (30181853)
井原 成男 産業医科大学, 医学部, 講師 (30176466)
小林 靖幸 産業医科大学, 医学部, 講師 (40140925)
緒方 甫 産業医科大学, 医学部, 教授
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研究概要 |
目的:慢性関節リウマチ(以下RA)患者の体力の指標として、有酸素性作業閾値であるAerobic threshold(以下Aet)を測定しRA活動性との関連について検討する。またAetでの運動負荷を強度とする運動療法行い、その効果について検討する。方法:多段階漸増負荷試験法を行い、4分間の各段階毎に、血中乳酸値・心拍数・血圧・呼気ガスを測定した。次にAetでの運動負荷を強度とし、週3回、1回1時間の頻度とし、自転車エルゴメーターを用いた運動処方にて運動療法を行った。トレーニングの効果の指標として、Aetでの酸素摂取量、Lansbury指数を用いた。結果:Aet測定は9例中7例で可能であったが、最大酸素摂取量は全員測定不可能で、RA患者の体力の指標としてAetが適当であろうと考えられる。また体力とLansbury指数との関係について検討してみた。体力の指標としてAetでの酸素摂取量を用いたが、その相関係数は0.22であり、この両者に相関があるとはいえなかった。3名について運動療法を行った。全員4週後よりAetでの酸素摂取量はつまり体力が増加したが、6ケ月後では1名はLansbury指数の改善と伴に体力は増加し、1名はLansbury指数の悪化と伴に体力は低下し、1名はLansbury指数が悪化したにもかかわらず体力が増加した。このようにRAの活動性に対する運動療法の効果は一定ではなかった。今後の課題:1)体力測定と運動療法の対象患者をふやし検討する。2)滑膜炎のある関節を動かしても滑膜炎が増悪しないような運動処方はどのようなものか?現在行っているAetの強度でよいか?という疑問に対し、運動負荷中及び前後で体温(深部温,関節部皮膚温,関節内温,筋肉内温等)測定,血中ホルモン測定,また自転車エルゴメーターのペダルにつけたフォースプレートにより下肢関節にかかっている負荷量を測定し検討する。
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