研究概要 |
〈研究方法〉 体重350〜400gSD系雄性ラットを用いペントバルビタールで麻酔後, 心臓を剔出し working heart preparationによる灌流実験を行なった. 潅流液は, Modified KrebsーHenseleit bufferを使用した. 加温は, 装置内潅流液を上昇させ微小温度プローブを左室外膜に刺入し, 心筋を37℃(I群),39℃(II群),41℃(III群),43℃(IV群)とした. 30分潅流し, 心機能として心拍数, 血圧, 心拍出量, 冠血流量を また潅流終了後の心筋内ATP, ADP, AMP.Lactateを測定した. 〈結果〉 II,III群は, I群に比較し, 心拍数,心拍出量,冠血流量共に有意に増加した. 43℃のIV群では心拍出量, 冠血流量は, I群に比較し有意に低値を示した. また代謝面では, ATPは, I群では15.6±3.34μ mole/g.d.w(mean±SD), II群で14.3±2.51, III群で13.2±3.48, 43℃のIV群で9.13±2, 18とIV群のみ有意に低下した. ADP, AMP, Lactateには有意差を認めなかった. 〈考案・結語〉 心筋温の41℃までの上昇と共に心機能は上昇するが, 43℃では抑制された. 代謝予定値に関しては41℃までは変化を認めなかったが, 43℃のATP値のみが有意に低かった.
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